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【新築】いらない設備10選|導入すべき設備も紹介

【新築】いらない設備10選|導入すべき設備も紹介

家づくりにおいて、新築の場合は設備を導入する必要があります。しかし、こだわりを詰め込むと費用がかさみ、予算からはみ出してしまうといった事態になりかねません。設備によっては後からの導入でも生活に支障がないものもあります。

当記事では、新築時にいらない設備と導入すべき設備についてご紹介します。新築でいらない設備を導入しないためのポイントも解説しますので、新築で住宅を購入する予定のある人はぜひお読みください。

1.新築時にいらない設備10選

注文住宅で家を建てる際に、憧れやイメージが先行し、「自分の夢を実現できる設備を導入したい」と考える人は多いでしょう。憧れの設備を導入したものの、マイホームに住み始めてからはほとんど活躍する機会がないというケースも珍しくありません。

ここでは、多くの人が家を建てる際に導入を検討するものの、あまり優先順位が高いとは言えない設備として、代表的なものを10種類紹介します。

1-1.ホームシアター

映像を大画面で楽しめるホームシアターは、映画が好きな人が憧れる設備です。包み込むようなサウンドと迫力ある画面で、まるで映画館にいるような臨場感を味わえます。映画のほかにも、ホームビデオやスポーツ、ゲームなどを楽しむことも可能です。

しかし、10年後、20年後には家族の過ごし方が変わり、ホームシアターを使う機会がなくなる可能性があります。ホームシアターの設備は簡単に動かせないので、使用機会が減っても、気軽に撤去や模様替えができません。また、防音対策をしなければ騒音トラブルにつながる恐れもあるなど不安要素が多いため、ホームシアターの重要度は低いと言えます。

1-2.浴室の大きな窓

浴室に大きな窓があると、一気に開放感が高まり、お気に入りの庭や景色を眺めながら優雅なバスタイムが楽しめます。また、自然光が入るのでバスルームが明るくなる、窓を開けて換気ができるという魅力もあります。

一方で、窓は防犯で最も気をつけるべきポイントです。あまり人が行き来しない浴室に大きな窓があると、泥棒にうってつけの侵入口になりかねません。また、お風呂の湯が冷めやすいので、冬場は浴室暖房や追い炊きが必要になります。掃除の負担も増えるため、浴室の大きな窓は、新築のいらない設備の1つと言えるでしょう。

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1-3.窓のシャッター

窓のシャッターは外から侵入しにくいため、防犯性が高いというメリットがあります。台風や強風のときは、窓ガラスに飛来物が当たるのを防いでくれるため室内で安心して過ごせるでしょう。シャッターの性能によっては、防火・防音効果も期待できます。

しかし、新築でシャッターを導入しても、いちいち窓を開けて開閉する作業が面倒になり、最終的に使わなくなる可能性も大いに考えられます。また、シャッターを閉めていると不在と判断されて泥棒に狙われるケースもあり、必ずしも防犯対策に有効とは限りません。

シャッター自体が壊れるリスクや修繕費用がかかることを考慮して、「新築にシャッターはいらない」と決断する人は多くいます。

1-4.ミストサウナ

ミストサウナがあれば、家庭でも気軽にサウナ気分が楽しめます。デトックス効果が期待でき、入浴後もお肌の潤いが持続するなど、美容面を気にする女性にとって嬉しい機能の1つです。身体に負担をかけにくいミストサウナは、高齢者にやさしい入浴方法としても知られています。

注意点としては、ミストサウナを頻繁に使うと電気代やガス代もかさみます。しかし、ミストサウナの使用を控えていては、新築に設置したことをもったいなく感じるでしょう。浴室が温まるまでに時間がかかり、湿気も溜まりやすいので、使うのが億劫になることも少なくありません。これまでミストサウナがなくても問題なく入浴していたことを考えれば、わざわざ新築に導入する必要はないと考えられます。

1-5.天窓

天窓を取り付けると、自然光が降り注ぐ室内で健やかな生活を送れます。また壁面の窓に比べると2〜4倍も通風量が多く、通風効果も抜群です。特に採光・通風面に劣る平屋や北向きの部屋では、天窓の設置を検討するケースは多いでしょう。

魅力的に思える天窓ですが、「メンテナンスが大変」「夏は暑い」というデメリットも目立ちます。汚れが気になっても自分で手の届く位置にはないため、業者に天窓の掃除を依頼しなくてはなりません。また、日中は天窓から常に光が射し込むため、床や家具が日焼けしやすい点にも注意が必要です。

1-6.浴室テレビ

「お風呂に浸かりながらドラマや映画を楽しみたい」という希望を抱く人も多いでしょう。浴室テレビがあれば、ドラマを見ながらゆっくり半身浴を楽しんだり、子どもと一緒にテレビを見ながらバスタイムを楽しんだりできます。

しかし、テレビに夢中になると次の人がお風呂に入れず、家族間でトラブルが起こる可能性があります。子どもが一人でお風呂に入れるようになると、何の番組をどれくらいの時間見ているのか不安になる人もいるでしょう。仕事や学校が忙しくなり、将来的に浴室テレビを使わなくなるということも加味すると、新築にいらない設備の1つと言えます。

1-7.床下収納

床下収納は、普段使わないキッチン用品や保存食を保管するスペースです。外からは見えないので、生活空間は確保したまま収納スペースを増やすことができます。昔の一軒家であれば、ほぼすべてのキッチンに床下収納がとりつけられており、日本では馴染み深い設備となっています。

床下収納が新築にいらない理由として、物を出し入れする際に、かがまなければならないという点が挙げられます。使うたびに腰に負担がかかるので、年齢とともに床下収納は使いづらくなるでしょう。また、湿気が溜まりカビが発生しやすく、食品を入れる場所としては衛生面も心配です。

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1-8.ビルトイン食洗機

食洗器は、今やキッチンの必需品と言ってもいい設備です。食器洗いの手間から解放され、節水効果も期待できるので、主婦や共働き世帯の強い味方となっています。料理やお菓子をよく作る人や、ホームパーティーを楽しみたい人は、ビルトイン食洗器は必需品と考えるのではないでしょうか。

しかし、新築にビルトイン食洗器を導入したものの、「洗い残しがある」「乾燥できていない」「食洗器に洗い物がすべて入らない」といった不満を抱える人も少なくありません。洗浄から乾燥まで時間がかかり、稼働音も大きいため使わなくなる人もいます。食洗器は据え置き型も市販されているため、マイホームに住み始めてから購入を検討してもよいでしょう。

1-9.キッチンの吊り戸棚

キッチンの上部に取りつける吊り戸棚は、デッドスペースを有効活用して、収納量を格段にアップできる設備です。食器や調理用具、食材など、さまざまな物をすっきり収納できます。キッチンとデザインを合わせると、統一感が出ておしゃれなインテリアになるでしょう。子どもの手が届かないので、割れ物や高価な食器も安心してしまえます。

便利に思える吊り戸棚は、実際に設置するとキッチンに圧迫感が出て、窮屈に感じやすい点に注意が必要です。また、吊り戸棚の上段は踏み台や脚立がなければ手が届かず、物の出し入れに苦労します。パントリーやカップボードがある場合は、吊り戸棚がなくても十分収納スペースが確保できている可能性もあるので、今一度必要な収納量について検討しましょう。

1-10.ロフト

外観がおしゃれで秘密基地のような特別感のあるロフトは、誰もが一度は憧れる設備です。寝室や収納、子ども部屋としてさまざまな使い方ができます。条件を満たす場合、固定資産税の対象にならないので、部屋を作るよりも費用を抑えてスペースを増やすことが可能です。

ロフトのデメリットとして、梯子を上り下りしながら荷物を運ぶのは危険ということが挙げられます。天井が低いため使いづらく、掃除も大変です。高齢になれば使う機会が減り、無駄なスペースとなる可能性は高いでしょう。また、断熱を行わなければ夏は非常に暑いという点も考慮すれば、ロフトの使い勝手はあまりよくないと言えます。

2.新築時に導入すべき設備6選

注文住宅で新築を建てる際には、本当に必要なのか慎重に考えるべき設備がある一方で、できる限り導入しておいたほうがよい設備もあります。憧れだけではなく、実際に生活を便利にしてくれる設備を選ぶと、満足度の高いマイホームが実現するでしょう。

ここでは、新築で導入すべき6つの設備を紹介します。

2-1.宅配ボックス

宅配ボックスは、在宅・不在を問わず、非対面で荷物を受け取ることができる設備です。近年はほとんどのマンションで導入されており、戸建てに住む人も据え置き型の宅配ボックスを購入するケースが多く見られます。

宅配ボックスがあれば、再配達を依頼する手間が省ける上に、急な予定ができても荷物の到着を気にせずに出かけられます。共働きで家を空けることが多い場合も、宅配ボックスがあると非常に便利です。

新築であれば、室内から荷物を受け取れる埋め込み型の宅配ボックスが導入できるので、ぜひ検討してください。

2-2.玄関の電気錠

電気錠とは、電気を利用して施錠・解錠ができるシステムのことです。電気錠には、カードキー、リモコンキー、暗証番号、指紋認証などがあり、いくつかの種類を組み合わせることもできます。いずれも、鍵穴に鍵を差し込んで回すという作業が必要ありません。

玄関ドアに電気錠を取りつけると、荷物で両手が塞がっているときもスムーズに家の中へ入れます。忘れ物を取りに戻る際や、子どもが急いでトイレに行きたい場合など、急いでいるときほど電気錠の便利さを実感できるでしょう。また、鍵の複製やピッキングができないため、防犯面でも安心です。ほとんどの電気錠にはオートロック機能があるので、鍵の締め忘れも防げます。

2-3.多めのコンセント

コンセントは多めにつけたと思っていても、実際に住んでみると欲しい場所にないことが度々起こります。後から導入する家具によってはコンセントがつぶれてしまうこともあるので、コンセントは想定数よりも多めに設置するのがおすすめです。

新築でコンセントを設置する際には、高さにも注意しましょう。キッチンには手元、ダイニングテーブルやソファ付近では家具の高さに合わせるなど、便利に使える位置にコンセントを設置することがポイントです。庭でガーデニングや洗車をする場合は、屋外にも忘れずにコンセントをつけましょう。

2-4.タッチレス水栓

タッチレス水栓は、センサーに手をかざすだけで吐水・止水ができる蛇口のことです。蛇口上部にセンサーがある標準タイプのほか、蛇口先端にタッチレススイッチがついたタイプや、浄水機能がついたタイプもあります。

タッチレス水栓があると、ハンドルに手を触れずに水を出せるため衛生的です。キッチンでは、生肉を触っても手をかざすだけで水を出せるので、料理がスムーズに進むでしょう。蛇口本体に水滴や汚れがつきにくく、掃除も簡単です。

また、小さい子どもも手が届くので、大人がサポートしなくても一人で手を洗えます。来客が多い家の場合、感染症予防の面からもタッチレス水栓は先方に喜ばれるでしょう。

2-5.2階トイレ

新築が2階建ての場合は、2階にもトイレを設置することがおすすめです。2階に寝室があり、1階にしかトイレがない場合、夜中にトイレに起きたら階段を下りて1階まで行かなくてはなりません。寝ぼけながら階段を下りるのは、転倒のリスクがあり危険です。体調が悪いときも1階まで下りる必要がなく、家族とトイレの使い分けができるので家庭内感染も予防できます。

家族が3人以上の場合、トイレのタイミングが重なることも多々あるでしょう。2階にトイレがあれば、朝の忙しい時間帯にも誰かのトイレが終わるのを待つ必要がなく、ゆっくりと支度できます。

2-6.パントリー

パントリーとは、キッチン周辺に設けられた収納スペースのことです。主に、食料品や調理家電、食器、日用品などを保管します。キッチン収納としては、床下収納や吊り戸棚よりも日常的に使いやすいパントリーが便利です。

パントリーには、狭いスペースでも有効活用できる壁付けタイプ、十分な収納量を確保できるウォークインタイプ、回遊できるウォークスルータイプがあります。間取りや希望によって、パントリーを計画しましょう。

特に、大型スーパーやネットショップでまとめ買いをする家庭には、パントリーの設置がおすすめです。米や飲料水、キッチンペーパーといったかさばるものも、すっきりと収納できます。パントリーにカウンターを設置すれば、パソコンやタブレットを見る場所としても活用できるので、家事の途中に別の作業をしたい人にもおすすめです。

3.新築でいらない設備を導入しないために

新築に導入したい設備が多すぎて、なかなか絞り込めないという人は多いでしょう。便利な設備はたくさんあるものの、すべてがライフスタイルに適しているとは限りません。

本当に必要な設備を選ぶためにも、ここで紹介するポイントを踏まえて必要な設備を決めましょう。

3-1.情報収集する

どのような設備があるのかを、イメージではなく具体的な情報として収集しましょう。最新の仕様やメーカーによる性能の違いなども押さえて選択肢を増やします。先入観にとらわれず、さまざまな国やブランドの情報を集めることが大切です。

情報収集を怠ると、新築住宅の完成後に「こんな設備もあったんだ」「こっちのメーカーのほうがよかった」と後悔する可能性があります。カタログやWEBサイト、ハウスメーカーの意見のほか、SNSや口コミも参考にしましょう。ショールームやモデルハウスなどを訪れ、生活をイメージしながら一つひとつの設備を確認するのがおすすめです。

3-2.予算を設定する

設備の導入は、新築費用で予算オーバーになりやすいポイントです。あらかじめ使えるお金の額を設定し、計画性をもつことが大切です。予算を設定すると、数ある設備の中から重要性の高い設備が絞れます。

家族の人数が多い場合、2階トイレの必要性は高いものの、浴室テレビやミストサウナはなくても困らないでしょう。設備の数が少なくても、高価な設備を導入すればそれだけで予算をオーバーします。家族と相談しつつ、予算と照らし合わせながら計画的に家づくりを進めましょう。

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3-3.優先順位を決める

導入したい設備に、優先順位をつけましょう。まずは、「必要な設備」と「あったら便利な設備」に振り分けます。「あったら便利な設備」は使わない可能性も高いので、導入をやめることも考えましょう。

次に「必要な設備」について、「将来的に使用しているか」「使用頻度は高いか」「改良されやすい設備か」という点を検討します。必要であっても、年に数回しか使わない設備はなくても困らないでしょう。改良されやすい設備は故障や紛失の対応が難しいため、避けたほうが無難です。

最も優先度が高く、コストパフォーマンスに優れたものは、必要かつ何十年も使用する設備です。必要な設備も、グレードによって予算が大きく変わります。「必要な機能」と「あったら便利な機能」に振り分けて、少しずつグレードダウンできないかを再検討しましょう。

まとめ

ホームシアターや窓のシャッター、天窓、ロフトなどの設備は、新築時にはいらないと言えます。10年後、20年後も使うものなのか、使用やメンテナンスに手間をかけられるかなど、将来性を考慮して選ぶと本当に必要な設備が分かります。

新築時には、宅配ボックスやタッチレス水栓、2階トイレの導入がおすすめです。また、コンセントは想定よりも多めに設置しておくと、後々使用場所の問題に悩むことがありません。

新築の住宅を購入する上で設備に悩んだときは、先入観にとらわれずに情報を集め、可能であればショールームやモデルハウスで設備を確認しイメージを具体的にすることが大切です。また、設備に優先順位をつけ、「あったら便利な設備」は導入から外すもしくはグレードダウンを検討するとよいでしょう。