住まいの知識

平屋を建てる値段は?2階建てとの比較やコストダウンのポイントも

平屋を建てる値段は?2階建てとの比較やコストダウンのポイントも

平屋を建てる値段の相場は、土地の広さ・値段や間取りによっても異なりますが、約2000万円と言われています。これから家を建てたいと考えている方の中には、2階建てとどちらがよいか迷っているという方もいるでしょう。また、平屋にはこだわりたいものの、コストを抑える方法を知りたいという方もいるのではないでしょうか。

この記事では、平屋の値段に加え、2階建てとの比較や値段を抑えるためのポイント・家づくりの注意点を詳しく解説します。

1.平屋を建てる値段の相場

平屋の建築費用は、ハウスメーカーや工務店にもよるものの、一般的に2,000万円前後が相場と言われています。下記は、間取り別に見た平屋の建物価格の相場です。

平屋の建物価格相場

2LDK(20~25坪) 約1,200~1,800万円
3LDK(25~30坪) 約1,500~2,400万円
4LDK(30~35坪) 約2,000~3,000万円
5LDK(35坪以上) 約3,000万円~

平屋の価格が左右される原因として、広さ以外に、家のデザインや性能、間取りなどが挙げられます。

平屋は日当たりが限定されるので、採光や風通しをよくするために、さまざまな工夫が必要です。たとえば、日当たりをよくするために平屋に中庭を設ける場合、外壁や窓が増えるのでコストも膨らみます。中庭つきの平屋の場合、30坪前後で約3,500万円以上が相場です。

他にも、採光用の窓を取り付けたり、外構フェンスを作ったりなど、平屋だからこそ必要を感じる設備は数多くあります。また、同じ坪数であっても、部屋の数によって建築費用は異なります。このため、同じ坪数・同じ間取りの平屋でも、価格に大きな差が出るケースは珍しくありません。

2.平屋と2階建てで値段が安いのはどちら?

新築で建てる場合、2階建てより平屋のほうが高い傾向にあります。その理由として、主に下記の2点が挙げられます。

・土地代が高い

同じ延床面積を確保する場合、2階建てより平屋のほうが広い敷地が必要です。たとえば、建ぺい率50%の土地で40坪の家を建てたい場合、平屋では約80坪の敷地が必要ですが、2階建てであれば40坪の土地で上階に面積を確保することができます。単純に計算すると、平屋では2階建ての倍の土地が必要になるでしょう。

・基礎・屋根工事が高い

平屋は2階建てよりも、屋根と基礎工事の面積が広くなり、その分値段が上がります。屋根・基礎工事は、建設費用の中でも最も高額な部分なので、平屋を建てる際には注意が必要です。

割高になるとはいえ、平屋には2階建てにはないメリットも多く、どちらにしようか迷う人も多いでしょう。下記に、平屋と2階建てについて、それぞれおすすめのケースを紹介するので、参考にしてください。

平屋がおすすめなケース 2階建てがおすすめなケース
階段がないのでバリアフリー設計がしやすく、効率的な生活動線が実現します。家族が顔を合わせる機会も多くなるので、コミュニケーションを楽しみたい家庭におすすめです。シニア世代の住まいとしても最適です。家の中でも個人のプライバシーを確保できるので、二世帯住宅にしたい人や、個室でじっくり趣味や勉強に励みたい人におすすめです。狭い土地を有効活用したい、土地代が高い場所に家を建てたいといった希望も叶うでしょう。

3.平屋の値段を抑えるためのポイント

平屋の値段は、工夫次第で抑えることもできます。実際に、ローコストで平屋を建てている人は少なくありません。予算オーバーにならないよう、優先順位を明確にして、しっかりとプランニングを行いましょう。

ここでは、平屋の値段を抑えるためのポイントを、具体的な対策例とともに詳しく解説します。

3-1.間取りを工夫する

平屋の費用を抑えるためには、部屋を減らし、廊下のない間取りにしましょう。部屋数と廊下が少なければ、壁や柱が不要となるので、材料費や施工費を削減できます。

たとえば、書斎や和室を個室として作らずに、リビングの一角にコーナーとして設けるなどの工夫をすると、費用削減につながります。廊下をなくすためには、LDKを中心とした間取りにする、ウォークスルークローゼットを作るといった工夫がおすすめです。

また、トイレ、バスルーム、キッチンなどの水まわりを一か所に集中させると、配管や工程がシンプルになるので工事費用が抑えられます。

3-2.設備・内装・外装のグレードを下げる

平屋の値段を抑えるためには、設備や素材のグレードを見直しましょう。ショールームでグレードの高いものに目が行き、勢いで採用してしまう人は少なくありません。設備のグレードを見直す際は、一か所だけでなく、システムキッチンやユニットバスなど、さまざまな場所で少しずつ下げることが大切です。

特にトイレなどの人目につきにくい部分は、思い切ってグレードを下げてコストカットを図りましょう。また、内装や外装にこだわりがある場合は、重要な部分以外は妥協することも必要です。洗面台や棚は、既製品をうまく組み合わせると、おしゃれでありながらコストダウンも叶います。

3-3.建具を減らす

建具とは、開け閉めできる扉・窓・襖などのことです。扉や窓には、取っ手や金具といった部品が多く、材料費や人件費など多くのコストがかかります。平屋の値段を抑えるためには、建具を最小限にすることがポイントです。

部屋は壁で区切らずに、スライド式ドア、パーテーション、カーテンといった間仕切りで対応すれば、コストダウンにつながります。各部屋にクローゼットを作るのではなく、ファミリークローゼットとして収納場所をまとめることもおすすめです。平屋ならではの開放感を楽しめるような空間づくりに取り組みましょう。

また、採光用に窓を作るのであれば、はめ殺しのFIX窓を採用すると、値段を抑えることが可能です。

3-4.外観を簡素にする

平屋の値段を抑えるためには、外観をシンプルな箱型にしましょう。凹凸のない箱型の平屋は、外壁量が少なくなるので材料費が抑えられます。また、複雑な工事が必要なくなり、施工費も削減できます。

コスト面重視であれば箱型がベストですが、外観を箱型にすることによって間取りに不自由が出ないかを確認することも大切です。また、屋根は勾配が少ないほどコストが抑えられるので、片流れを採用するとよいでしょう。

4.平屋を建てる際の注意点

値段を抑えて平屋を建てると、住宅性能が低くなり、住みにくい家になってしまう可能性もあります。下記に、平屋を建てる際に注意すべき点をいくつか紹介するので、参考にしてください。

・防犯性に注意する

平屋は1階部分のみなので、外部から生活状況を把握されやすく、泥棒に侵入されやすいというデメリットがあります。防犯対策にはコストがかかるものの、事件を防ぐためにも外構や窓を工夫することをおすすめします。

・メンテナンス費用のことも検討する

少々値段が高くても、外壁や設備は耐久性が高く、メンテナンスフリーのものを選んだほうが、後々の維持費も抑えられます。また、職人の技術レベルによっても不具合が起きるので、信頼できる業者に任せることも大切です。

・住宅性能に注意する

コスト面を重視すると、窓は少なく、小さくなります。しかし、平屋は1階建てのため、採光や通風を工夫しなければ、湿気がたまりやすく暗い雰囲気の家になってしまうでしょう。平屋で快適に暮らすためには、大きな窓や天窓を設置することを検討してください。

家は建てて終わりではないので、将来的な住みやすさや、余裕のある資金計画を考える必要があります。値段を考えつつ、こだわる点を家族と相談して家づくりを進めることが大切です。

まとめ

平屋は2階建ての住宅と比べて、土地代や基礎工事や屋根工事の費用がかさむため、値段が高くなりやすい傾向にあります。平屋を建てる際の値段を抑えるためには、間取りを工夫したり、内装や外装にかかるコストを見直したりすることがおすすめです。

なお、平屋を建てる際は、防犯性やメンテナンスしやすさ、住宅性能などへの配慮も必要です。どのような暮らしをしたいか家族とよく相談した上で、住宅のタイプや間取りを決めましょう。