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ファミリークローゼットで失敗する理由とは?失敗しないためのコツも

ファミリークローゼットで失敗する理由とは?失敗しないためのコツも

ファミリークローゼットは、家族全員分の衣類や身の回りの物をまとめて収納できるため、特に子育て世帯や荷物が多い家庭に人気の収納スペースです。ファミリークローゼットには、「家事動線・生活動線が短縮できる」「部屋が散らかりにくい」など多くのメリットがあります。しかし、設置には広いスペースが必要であったり、プライバシーがなくなったりするため、家族とよく話し合った上で決めましょう。

当記事では、ファミリークローゼットで失敗しやすい理由や、失敗しないための方法を4つ紹介します。マイホームにファミリークローゼットを設置したい人は、ぜひ参考にしてください。

1.ファミリークローゼットで失敗する主な理由6つ

家づくりを考えるときに、ファミリークローゼットの設置を考える人もいるのではないでしょうか。ファミリークローゼットがあると家族の収納を1か所にまとめられるので、部屋に収納スペースが必要なくなり広々と使えるようになります。また、洗濯物をまとめて収納しておく場合は各部屋に分けてしまう手間が省け、家事動線がすっきりするでしょう。

さまざまなメリットがあって人気のファミリークローゼットですが、収納量や使い方をよく考えずに設置すると後悔する可能性もあります。ここでは、ファミリークローゼットを設置する際に失敗しやすい点について解説します。

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1-1.スペースが広すぎた・狭すぎた

スペースを広く取りすぎた場合、無駄なスペースができて後悔したという事例があります。例えばファミリークローゼットを設置するためにリビングなど他の部屋を狭くした場合、空間を活用しきれなければ後悔につながるでしょう。

反対にスペースを狭めにしたら、家族分の服をすべて収納しきれなかったということもあります。狭いスペースに無理に収納しようとすると、奥にしまったものが取り出しにくくなり整理が難しくなるなどの問題にも注意が必要です。1〜2畳ほどの狭めのスペースにする場合は、収納プランが限られることを想定しましょう。

1-2.ほかの間取りが狭くなった

ファミリークローゼットを設置するためには、間取りを調整する必要があります。一般的には、家事動線を考慮してリビングや水回りのある1階に設置する場合が多いため、リビングやキッチンが狭くなることもあります。居室の広さを確保しつつファミリークローゼットも設置したいとなると、土地の広さを確保する必要があるでしょう。

家事動線は悪くなりますが、2階にファミリークローゼットを設置する方法もあります。妥協点を探りつつ、設置できる間取りプランを見極める必要があります。

1-3.家族と使うタイミングが重なる

ファミリークローゼットを使うタイミングが、家族で重なってしまうことがあります。特に朝は身支度で忙しい時間帯のため、複数人が同時に集まることも考えられます。1人が中で着替えや身支度を始めて他の家族が使えないという事態は、喧嘩やトラブルを招きかねません。

慌ただしく身支度をしていて、衣類や小物が散らかったままにされていたという状況も、言い合いになる要因です。性格の違いや、片づけの方法に差があると、ファミリークローゼットの使い方で揉める可能性もあります。

1-4.プライバシーが気になる

家族全員の衣類を1か所に収納しているため、家族間でのプライバシーがなくなる点に注意が必要です。特に思春期の子どもは、下着や着替えの収納場所が共有スペースにあることを気にする場合もあります。着替えを自分の部屋でするとなると、ファミリークローゼットから服を取りだしてわざわざ部屋に運ばなければなりません。結局子どもの部屋に新しい収納が必要になることもあります。

子どもが成長してからは、洗濯済みのものを保管する場所としてファミリークローゼットを活用するなど、プライバシーへの配慮も必要です。

1-5.照明をセンサー式ライトにすればよかった

ファミリークローゼットには小窓がない場合も多く、昼間でも照明が必要になります。スイッチ式の照明にすると、電気を消し忘れてしまうこともあるでしょう。

センサー式ライトにしておくと、勝手に消えるのでつけっぱなしになる心配もありません。荷物で両手がふさがっている時でも、ライトが自動でつくため作業をスムーズに行えます。子どもがまだ小さくスイッチに手が届かないという場合も、センサー式にすると1人でファミリークローゼットを使えるためおすすめです。

1-6.扉が使いにくい

ファミリークローゼットにつける扉のタイプによっては、使い勝手に影響することもあります。扉には主に「開き戸」「引き戸」「折れ戸」の3種類があり、扉をつけない設置の仕方もあります。

【ファミリークローゼットの扉の種類・扉なし】

開き戸 一般的な1枚扉で、開け閉めするためのスペースが必要になります。
引き戸 省スペースで設置できて、開け閉めもしやすい扉です。
折れ戸 手前に引っ張る力が必要になるため、子どもやお年寄りにとっては使いにくくなります。
扉なし 出し入れがスムーズになりますが、中のものが常に見えてしまう点がデメリットです。

設置場所や用途によっては付けないほうがいい扉もあるため、専門家やハウスメーカーに相談しましょう。

2.ファミリークローゼットで失敗しないためには?

ファミリークローゼットは、家族の衣類や小物をまとめて収納できて便利です。しかし、サイズが広すぎると他の間取りが狭くなり、狭すぎると収納力が足りず物が収まりきらなくなります。ファミリークローゼットを設置して後悔しないためにも、生活動線や用途をよく考えて適切なサイズにすることが大切です。

ここでは、ファミリークローゼットを設置して失敗しないためのポイントを解説します。

2-1.家族構成・ライフスタイルを考える

間取りを考える前に、家族構成とライフスタイルを基準に家族全員分の収納の量を把握しましょう。家族が増えた場合や、子どもが独立した場合など、家族構成・ライフスタイルが変化した時の使い方も考えておくことをおすすめします。

ファミリークローゼットには、人が中を歩ける広さを確保した個室型の「ウォークインクローゼット」や、通り抜けが可能な「ウォークスルークローゼット」があります。スペースが狭くてもウォークスルータイプであれば比較的設置が容易です。しかし、設置するスペースがあれば、汎用性のある使い方ができるウォークインタイプのほうがおすすめです。

2-2.最適なサイズを考える

ファミリークローゼットに必要な広さの目安は、4人家族で3畳程度です。中で着替えることを想定した場合や、収納したいものが多い場合はもう少し広めでも問題ありません。

どの部屋に隣接するかによっても、収納物は変化します。例えば、洗面脱衣所の近くに設置するのであれば、下着やパジャマ、タオル類を収納するのに便利です。シューズクローゼットの近くに設置するのであれば、靴を脱いでからファミリークローゼットで普段着に着替え居室に移動するなど、スムーズな生活動線をつくれます。

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2-3.用途・生活動線を考える

ファミリークローゼットを設置する際は、用途や生活動線、家族の利便性を考えましょう。例えば、収納するだけなら洗濯機や脱衣室の近くに設置することで、洗濯物を収納する際に家事動線の効率が良くなります。

中で着替えることを想定して設置するのであれば、玄関やリビングから移動しやすい位置がおすすめです。広さは必要になりますが、リビングに服や小物が散乱するのを防げるほか、外のホコリや花粉を持ち込まないようにできます。

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2-4.レイアウトの無駄を減らす

収納用具としてハンガーポールや収納棚があらかじめ設置されたファミリークローゼットを作る場合、デッドスペースができる可能性があります。特に収納棚やハンガーポールをコの字型に設置すると、重なる角の部分が収納に使えないデッドスペースになります。両サイドに取り付ける二の字型にすると、部屋の角のスペースも有効活用できるのでおすすめです。

バッグや帽子、使わない季節物の衣類を収納する場合は、収納棚を重点的に設置するほうが使いやすくなります。

まとめ

ファミリークローゼットは家族の収納を1か所にまとめられるほか、家事動線がすっきりするなどのメリットがあります。しかし、設置にはある程度のスペースを確保する必要があるため、間取りによっては他の部屋が狭くなる可能性があるでしょう。また、ファミリークローゼットを使うタイミングが家族と重なったり、家族間でのプライバシーがなくなるなどのデメリットもあります。

ファミリークローゼットで失敗しないためには、家族構成・ライフスタイルを考えた上で最適なサイズにするのがポイントです。