住まいの知識

トイレに窓は必要?窓をつけるメリット・デメリットと注意点を解説

トイレに窓は必要?窓をつけるメリット・デメリットと注意点を解説

トイレに窓をつけると室内に自然光が入るため明るい空間になりやすく、開放感を感じられるメリットがあります。トイレは家の中でも暗い場所に設置されることが多いため、窓の有無は雰囲気を大きく変える要素の1つと言えます。一軒家の購入やリフォームを検討している人の中には、トイレに窓をつけるか迷っている人もいるのではないでしょうか。

当記事では、トイレに窓をつけるメリット・デメリットや窓を設置する際の注意点を紹介します。トイレにつける窓の種類や設置するコツを知って家づくりに生かしたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.トイレに窓をつけるメリット

トイレに窓をつけるかどうかは、メリット・デメリットを考えた上で検討しましょう。窓をつけた場合は、トイレが明るくなり開放感が生まれるメリットがあります。窓をつけなかった場合は換気しにくくなり、後悔することも少なくないでしょう。

ここでは、トイレに窓をつけるメリットを3つ紹介します。

寝室は窓に要注意!失敗しない間取りの注意点を解説

1-1.トイレが明るくなる

トイレに窓がついていると、外の日差しを取り込んで明るい空間にできるメリットがあります。家周辺の環境や部屋の方角、窓の大きさにもよりますが、日中は電気をつけなくても明るく、電気代の節約になるでしょう。窓がない場合は、停電時に備えて懐中電灯を用意する必要があります。

トイレに窓があると自然光が入るため明るい空間になり、時間によって自然光の入る様子が変わることから趣も感じられます。トイレを明るい空間にするには、人感センサーつきの照明機具を設置する方法がありますが、コストがかかるなどのデメリットもあるためよく検討しましょう。

トイレの人感センサーにデメリットはある?センサーの導入方法も解説

1-2.開放感が生まれる

トイレは他の部屋とは違い、小さく四方を壁に囲まれるため圧迫感を感じやすいスペースです。窓があると採光が取れて室内が明るくなり、開放感が生まれます。トイレから外の景色が見える場所であれば、開放感だけでなくリラックス効果を感じられる空間になるでしょう。

プライバシーが心配な場合は、高窓を設置するのも1つの方法です。外からの視線を遮りながらも明るい自然光を取り入れられるので、ほどよい開放感が生まれます。

1-3.換気しやすくなる

トイレに窓をつけると、窓を開けるだけで素早く外の新鮮な空気を取り込めます。窓がない場合は、換気扇やサーキュレーターなどを設置し、フル活用しないと臭いがこもりやすくなります。あるいは、トイレのドアを開けておくか、消臭剤を置くなどの対策も必要でしょう。

開き具合を調整できる窓であれば、外出中も少し窓を開けておき換気することができます。窓から害虫が入り込むのが心配な場合は網戸を設置すれば侵入を防止できます。また、目が細かい網戸は砂ぼこりや小さな虫も気にせず換気ができるのでおすすめです。

2.トイレに窓をつけるデメリット

トイレに窓をつけると外気温が伝わりやすくなります。特に冬場の暖房がないトイレでは外の寒さが室内に伝わり、急激な温度差によって血管や心臓の疾患を引き起こす「ヒートショック」になる恐れがあります。また、トイレに窓があると空き巣などに狙われやすいという防犯上のデメリットもあるでしょう。

ここでは、トイレに窓をつけるデメリットを詳しく解説します。

2-1.室温が下がりやすい

トイレに窓があると断熱性が下がり、室温が下がりやすくなるデメリットがあります。暖かい暖房の効いた部屋からトイレへ移動したときに感じる寒暖差は、体に負担をかけています。トイレに立ったときに、身震いするほどの冷えを感じる人もいるでしょう。

寒さによって身震いする状態は、室温の急激な変化により血圧が変動して、ヒートショックになる前兆と考えられます。ヒートショックを起こし、トイレで倒れる高齢者も少なくありません。

トイレは日当たりの悪い所に設置されることが多いため、ヒートショックを防止するには室内に暖房器具を設置するとよいでしょう。また、トイレの間取りを考える段階で寝室との距離を近くにすれば、廊下で体が冷えにくくなります。

トイレの間取りで後悔しないために!失敗例と間取りのポイントを解説

2-2.防犯性が下がる

トイレの窓は換気のために開いていることが多く、空き巣が入りやすくなることもデメリットの1つです。トイレはプライバシーのために外部から見えにくい場所に設置されていることも多く、空き巣犯にとって、人目につきにくいメリットがあるためです。

トイレに窓をつけると防犯性が下がるため、面格子付きの窓を設置するなど対策が必要です。面格子付き窓を取り付ける場合は、専用の工具がないと取り外せないワンウェイネジを使ったものを設置しましょう。あるいは、外観を損なわずに済むような窓の内側に設置する面格子付き窓をおすすめします。

2-3.自由に使える壁が減る

居心地のよいトイレにするには、トイレットペーパーや掃除道具など生活感の出るトイレ用品を隠すスペースが必要です。元から収納アイテムが付いている場合には問題なく片付けられますが、ない場合には床に直置きするか、壁面収納用の棚などを設置する必要があります。床に直置きするとカビが発生しやすく、掃除しにくくなるため、壁面収納がおすすめです。

トイレに窓をつけると自由に使える壁が減り、壁面収納の設置ができない場合もあります。窓の配置によって壁面収納ができるかは変わるため、よく検討しましょう。

3.トイレの窓で注意したいポイント3つ

窓には開閉できるタイプと開閉できないタイプがあり、掃除のしやすさだけでなく、換気や採光を優先するかによっても選び方が異なります。トイレの窓を選ぶときに気を付けたいポイントはいくつかあるため、イメージや目的などに合わせて位置や大きさを検討しましょう。

ここでは、トイレの窓を設置するときの3つの注意点を解説します。

3-1.位置や大きさをきちんと検討する

トイレに窓をつけるときは、トイレを1階か2階に設置するかで位置が変わるため、窓の位置や大きさをきちんと検討しましょう。泥棒などの防犯上の理由から、1階の窓は頭より高い位置が推奨されています。2階の場合は、床から約150~160cmの位置に設置されているケースがほとんどです。2階は1階に比べると、防犯上のリスクが低いため比較的低い位置に設置されます。

トイレの窓の大きさは、住宅全体のバランスやデザインを考えて選ぶ必要があります。大型だと600mm(高さ)×1,000mm(幅)や600mm×900mm、一般的だと600mm×700mm程度が大半です。小型だと770mm×405mmのサイズを選んでいる人も珍しくありません。

3-2.窓の種類を選ぶ

トイレの窓は使用目的に合わせて選びましょう。採光のみが目的の場合は、開閉できないFIX窓(はめ殺し窓)がおすすめです。FIX窓はガラスがはめ込まれただけの窓を指します。

換気と採光を優先したい場合は、少しだけ開けられるすべり出し窓を選ぶのも1つの方法です。開けられる部分が少ないため、プライバシーや防犯面の心配が減るでしょう。すべり出し窓には縦に開く縦すべり出し窓や、内側に開く内倒し窓などがあります。縦すべり出し窓は室内に空気を取り入れやすい一方、網戸についた虫が室内に入りやすいデメリットがあります。

内倒し窓は防犯性に優れていますが、ハンドル部分が上につくため、高い位置だと手が届かない場合があります。メリット・デメリットを考えた上で、窓の種類を選ぶのが大切です。

3-3.掃除のしやすさを考える

トイレは汚れやすいため、清潔にしておきたいと考える人も多いでしょう。トイレを綺麗に維持するには、窓掃除しやすい種類の窓を選ぶのがポイントです。掃除のしやすさだけで考えると、FIX窓がよいでしょう。

窓は大きく分けて、引き違い窓とFIX窓の2種類があります。引き違い窓は、2枚のガラスがサッシにはめ込まれている一般的な窓です。引き違い窓は、開け閉めするためにサッシにホコリが付きやすくなっています。サッシの凹凸があり、拭き掃除しても汚れが取れずにこびりつくことも少なくありません。

しかし、FIX窓では開けるためのサッシなどの溝がないためホコリが溜まりにくく、拭き掃除しやすいのがメリットです。トイレの窓を選ぶ際は、掃除のしやすさと設置する目的を考えましょう。

まとめ

トイレに窓をつけると、室内が明るくなり開放感が生まれるほか、換気しやすくなるメリットがあります。しかし、トイレに窓があると室温が下がりやすく、防犯性が下がるといったデメリットが生じます。

窓を選ぶときは、設置する場所のほか窓の大きさを鑑みて決めましょう。窓の種類には開け閉めできる「引き違い窓」と開閉できない「FIX窓」があります。トイレに窓をつける際は、設置するメリットとデメリットを考慮して目的に合った種類の窓を選ぶのがポイントです。