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トイレの人感センサーにデメリットはある?センサーの導入方法も解説

トイレの人感センサーにデメリットはある?センサーの導入方法も解説

トイレに人感センサーを付けると、照明のオンオフや洗浄を自動で行え、非常に便利です。しかし、家のトイレに人感センサーを設置する際にデメリットが存在するのかどうか気になる方もいるでしょう。

当記事では、トイレの人感センサーについて、設置するメリットとデメリット・設置方法について詳しく解説します。家を新しく建てる際にも、現在使用しているトイレにも人感センサーは導入可能なため、メリットとデメリットを比較しながら設置するかどうかを検討しましょう。

1. トイレの人感センサーとは?

人感センサーとは、人の動きや体温に反応して作動するセンサー全般のことを指します。仕組みは機器により異なりますが、おもに「赤外線センサー」を利用しているものが一般的です。

赤外線とは、熱を伝える役割を持つ電磁波の1種です。体温のある人間も赤外線を発しており、人感センサーは人間が発する赤外線を感知して作動します。

人感センサーが設置されている場所は、玄関ポーチや廊下、階段、洗面所、脱衣所、駐車場などです。トイレでは、おもに照明のオンオフや蓋の開閉、自動で水を流す仕組みなどに活用されています。

1-1. トイレに人感センサーを導入するメリット

トイレに人感センサーを導入するメリットは、以下の3点です。

スイッチを押す手間が省ける

トイレに人感センサーを取り入れることで、スイッチを操作する手間を大幅に削減できます。

人感センサーがない場合、トイレに入るときと流すとき、トイレから出るときに毎回スイッチを操作しなくてはなりません。しかし人感センサーがあれば、照明のオンオフや便器の洗浄が自動化されるため、トイレの使用時に必要な工程を最小限に減らせます。

消し忘れ・流し忘れを防げる

人感センサーは自動で照明のオンオフや便器の洗浄を行ってくれるため、消し忘れや流し忘れを防ぐことができます。使わないときは自動で照明や換気扇が切れる仕組みをつくっておけば、照明の消し忘れにより余計な電気代がかかる心配もありません。

また、消し忘れ・流し忘れを防ぐことにより、家族間のストレスやトラブルを予防できる点もメリットです。

衛生的にも安心できる

人感センサーを導入すれば、トイレの開閉の際、雑菌や汚れが付着しやすい蓋を手で触る必要がなくなり、衛生的にも安心です。

また、感染症対策にも役立ちます。家族や来客など複数人で共有するトイレの場合、照明や洗浄のスイッチを介して感染症がうつる可能性があります。しかし人感センサー付きのトイレならスイッチに触れる必要がなく、感染リスクを抑えることが可能です。

2. トイレに人感センサーを導入するデメリットは?

トイレに人感センサーを導入することで、トイレを利用する際の手間が減る上、衛生面でも多くのメリットを得られます。一方で、トイレの人感センサーを使用してデメリットや弊害を感じる場合もあるため注意が必要です。

ここでは、トイレに人感センサーを導入するデメリットを4つ解説します。メリットとデメリットをよく比較した上で、自宅のトイレに人感センサーを付けるかどうかを検討してみてください。

2-1. スイッチを操作する習慣が身につかなくなる

人感センサー付きのトイレに慣れると、スイッチを操作する習慣が身につきにくくなります。人感センサー付きのトイレは、何もしなくても自動で照明のオンオフや便器の洗浄を行ってくれるためです。

自宅トイレでは大きな問題になりにくいものの、勤務先や学校、出先ではセンサー式のトイレがない場所も多くあります。特に子どもが人感センサーに慣れてしまうと、外出先のトイレで消し忘れや流し忘れをしてしまう可能性があるため注意しましょう。

2-2. センサーが誤作動を起こすケースがある

人感センサーは、まれに誤作動を起こす場合があります。人感センサーの多くは赤外線に反応する仕組みを採用しており、人の動き以外の要因で赤外線の変化が起きたときにも作動してしまうためです。

人感センサーは以下のようなケースで誤作動を起こすことがあります。

  • 風や振動で物が揺れた
  • ペットが出入りした
  • エアコンや換気扇、天候の影響で室温が変化した
  • 雷や車のヘッドライトなどの強い光が当たった
  • 反射の強い床面がある場所に設置した

人感センサーを導入する際は、誤作動が起きないよう設置場所に配慮することがポイントです。

2-3. 定期的にセンサー部分の掃除が必要

人感センサーは取り付けたら終わりではなく、定期的にセンサー部分を掃除する必要があります。センサー部分に汚れが溜まると、センサーの反応が悪くなり、誤作動の可能性が高まります。

人感センサーを設置したら、製品の説明書に書かれた頻度や掃除方法を参考にして、定期的にお手入れを行いましょう。

2-4. コストがかかる

人感センサーを設置する場合、手で押すタイプのスイッチよりもコストがかかる可能性があります。一般的に、人感センサーの設置費用は1か所あたり数千円から1万円程度です。

さらに、人感センサーを常時作動させるには待機電力がかかります。もちろん人感センサーには電気の消し忘れを防ぐ効果もあるものの、設置費用や待機電力にかかる電気代も考慮して、設置するかどうかを決めましょう。

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3. トイレに人感センサーの導入する方法

トイレに人感センサーを導入する方法は、おもに「人感センサー付きのライトを購入する」「家づくり・リフォーム時に壁面センサーを取り付ける」の2種類です。

それぞれ導入の難易度や使い勝手が異なるため、人感センサーを取り付ける際は、予算や状況、実際に使うイメージなどを踏まえて、設置方法を検討する必要があります。

ここでは、トイレに人感センサーを導入する2種類の方法について、さらに詳しく説明します。

3-1. センサー付きライトを購入する

トイレの照明に手軽に人感センサーを導入するなら、センサー内蔵のライトを購入するのがおすすめです。市販のLED電球の中には、人感センサー機能付きの製品があります。

人感センサー付きLED電球を購入すれば、電球を交換するだけで、簡単にトイレの照明を人感センサーに変えられます。大がかりな工事やリフォームをする必要がなく、人感センサーを後付けしたいときにもぴったりです。

注意点として、人感センサー付きライトを購入するときは、センサーの感度や点灯時間などの性能を比較して、できるだけ品質のよい製品を選びましょう。トイレは長く滞在することもあり、感度が悪かったり点灯時間が短かったりする製品を選ぶと、使用中に照明が暗くなってしまう可能性があります。

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3-2. 壁面センサーを取り付ける

注文住宅の新築や自宅のリフォーム時に人感センサー照明を設置する場合は、壁面センサーを取り入れるのも1つの手です。壁面センサーは、トイレの壁にセンサーを取り付け、照明器具と配線をつなぐことで、自動で照明の切替を行います。

壁面センサーは、センサー付きライトに対応していないおしゃれな照明器具にもセンサー機能を付けられる点がメリットです。また、手元の照明スイッチでモードや点灯時間を切り替えられる機種なら、長時間滞在しても途中で電気が暗くなるストレスがありません。

ただし、壁面センサーを取り付けるにはある程度の幅の壁が必要なため、設置可否や適切な設置位置については、取り付けを依頼する工務店とよく相談しておきましょう。

まとめ

トイレの人感センサーには、消し忘れ・流し忘れを防ぐ効果とともに衛生面でのメリットもあります。一方でセンサーの誤作動やスイッチを操作する習慣が身につかなくなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。また、人感センサーには設置にかかる費用や待機電力の電気代など思わぬコストがかかることもあります。

これから家を建てる際やリフォームを行う際は、壁面の人感センサーを設置するのがおすすめですが、センサー付きのライトを購入することでも人感センサーを導入できます。それぞれの性能やデメリットを考えながら、どのようなセンサーを導入するか検討しましょう。