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平屋建てとは?メリット・デメリット・費用相場を解説!

平屋建てとは?メリット・デメリット・費用相場を解説!

平屋建てとは1階建ての住宅を指します。昔ながらの日本家屋のイメージが強いものの、近年はモダンな建築も増えており、子育て世代など若い人々からも注目を集めています。一方で、平屋建てに興味があるものの、あまり馴染みがなく家づくりの際にどういった点に注意すればよいか分からないという方もいるでしょう。

この記事では、平屋建てのメリットとデメリットをそれぞれ挙げた上で、平屋建て住宅の費用相場や家づくりのポイントを紹介します。

1.平屋建てとは?メリットとデメリットも紹介

平屋建てとは、1階建ての住宅を指します。従来までは「平屋建て」というと木造の古風な日本家屋が多かったものの、現在はデザイン性が高く開放感ある物件が増えています。核家族化の進行により1世帯あたりの人数が多くないことも理由となり、最近では若い夫婦や子育て世代からも人気を集めているのが特徴です。

平屋建て注文住宅には、1階建てならではのメリット・デメリットがあります。ここでは、それぞれの内容について詳しく解説します。

1-1.メリット1:掃除・メンテナンスがしやすい

平屋建ては、階段がなく掃除しやすい点が魅力の1つです。重い掃除機を持って階段の上り下りをする必要もなく、ワンフロアで簡潔できるのが嬉しいポイントです。また、平屋建てはメンテナンス費用・修繕費用の削減効果も期待できます。

住宅の主なメンテナンス箇所には、屋根や外壁、雨どいなどが挙げられます。平屋建ては2階建てよりも足場の設置にかかる費用が少額で済むため、メンテナンスや修繕の際はトータルの費用を抑えることが可能です。

1-2.メリット2:自由度の高い設計が可能

平屋建ては2階建て住宅よりも間取りに関する制限が少ないことから、自由度の高い設計が実現できます。

平屋建ての設計では、階段スペースの確保が不要です。また、2階部分を支える必要がないため、柱の数も最小限に抑えられます。

敷地をパズルの組み合わせのように区切って間取りを考えられるため、専門知識がない人でもある程度の設計プランを想像しやすいと言えるでしょう。

1-3.メリット3:バリアフリー化しやすい

平屋建ては階段がないためバリアフリー化しやすく、家中の段差を完全になくすことも可能です。

マイホームは、購入後何十年と長く暮らし続けることを想定した買い物になります。いずれ高齢の両親と同居することになったり、自分自身が歳を重ねて段差がつらくなったりすることもあるでしょう。また、小さな子どもがいる家庭にとっても、バリアフリー仕様の住まい環境は大きなメリットとなります。

平屋暮らしであれば階段やバルコニーから転倒する心配がなく、家族全員が安心・安全に暮らすことが可能です。

1-4.メリット4:家族とのコミュニケーションが取りやすい

平屋建てはすべての生活空間が1階にあることから、家族間で顔を合わせるタイミングが多くなります。

2階建て住宅では、夫婦それぞれの自室や子ども部屋を2階に配置するのが一般的です。子どもが学校から帰宅後にそのまま子ども部屋へ直行してしまうと、家族でコミュニケーションを取る機会が非常に少なくなります。

平屋建てであれば、「家族がそれぞれの部屋に入るにはリビングを必ず通らなければならない」という間取りを採用することも可能です。顔を合わせることで自然と会話が生まれ、よい家族関係の構築にもつながるでしょう。

1-5.デメリット1:広い土地が必要となる

平屋建ては1階にすべての部屋を配置することになります。2階建て住宅と同じ部屋数・延床面積を確保しようと考えると、その分広い土地が必要です。

また、住宅を建設する際は「建ぺい率」にも注意しなければなりません。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指します。建ぺい率は地域によって異なるため、敷地全体を延床面積とできるわけではないことを覚えておきましょう。

1-6.デメリット2:坪単価が高くなりやすい

住宅建築工事において、特にコストが高いのは屋根工事・基礎工事にかかる費用です。平屋建ては2階建てよりも屋根や基礎の面積が大きくなるため、坪単価が高くなりやすい傾向にあります。

ただし、2階建てよりも平屋建ての坪単価が高いというのは、それぞれをまったく同じ「延床面積」で建設した場合の比較です。平屋建ては階段や上階廊下のスペースが不要となるため、実際には同じ「敷地面積」であれば、2階建てよりも自由に使える面積が多くなります。坪単価はあくまで目安として考え、トータル費用は実際の見積もりで比較しましょう。

1-7.デメリット3:日当たり・風通しの悪い空間ができることがある

平屋建ては、建物が大きくなればなるほど日当たり・風通しの悪い部屋ができやすくなります。間取りの自由度が高いのは平屋建てのメリットの1つですが、日当たりや風通しを無視して設計すると、四方を他の部屋で囲まれた窓のない空間が生まれる可能性があります。

窓のない部屋には天窓を設置したり、どの部屋にも窓をつけられるよう建物の中心に中庭を作ったりして、快適に過ごすための工夫をしましょう。

1-8.デメリット4:防犯・プライバシー保護の対策が必要

平屋建てはすべての部屋が1階にあるため、防犯・プライバシー対策は厳重に行う必要があります。

外からの視線が気になる場合、家族で過ごす時間が多いリビングなどを道路に面していない場所に配置するのがおすすめです。また、防犯面の対策には、足音がなるよう外に砂利を敷き詰めたり、人感センサーを設置したりするのがよいでしょう。

2.平屋建ての費用相場

新築で平屋建てを建てる場合の費用相場は、敷地面積や間取りによって異なります。一般的な平屋建てのおおまかな建築価格相場は、以下の通りです。

間取り 延床面積 建築価格相場
1LDK・2LDK 15〜25坪約650万〜2,000万円
3LDK・4LDK 20〜35坪約1,500万〜2,500万円

新築購入にあたって土地探しから始めるのであれば、建築価格とは別に土地代金も必要となります。予算に不安がある場合は、比較的安く購入できる変形地なども選択肢に入れるのがよいでしょう。トータル費用が抑えられるのはもちろん、予算に余裕ができれば、その分建物にこだわることも可能となります。

3.平屋建ての家づくりのポイント

平屋建ての住宅を建設する際は、住み始めてから後悔することがないよう、家づくりのポイントを押さえておくことが重要です。平屋建ての家づくりのポイントには、以下の3つがあります。

動線を確認しながら設計する
平屋建ては、玄関からリビング、寝室、トイレやバスルームまで、すべてのスペースが1階に集まるのが特徴です。動線を無視して間取りを決めると、日々の生活の中で無駄な動きが増える原因となり得ます。例えば、キッチンが玄関から遠すぎると、買い物後に重い荷物を運ぶ距離が長くなります。家事動線・生活動線の両方を意識して、過ごしやすい間取りを採用しましょう。
内装に段差を作り立体感を出す
平屋建ての間取りは平坦に見えがちです。床の一部を低くするダウンフロアや小上がり床を取り入れることで、部屋に立体感や陰影が生まれます。また、小上がり部分の段差を収納スペースにすれば、空間の有効活用も実現可能です。
建物の形状にこだわる
平屋建てというと、上から見て長方形となる形状を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、最近ではコの字型やロの字型の平屋建てが注目されています。中心部を中庭にすることで各部屋の日当たり・風通しがよくなるだけでなく、外から見えない場所に洗濯物を干せたり、中庭でガーデニングを楽しめたりするというメリットもあります。

まとめ

平屋建ては、掃除やメンテナンスが楽でバリアフリー設計にしやすいなどのメリットがあります。一方で、坪単価が高くなったり、防犯上の対策が必要であったりというデメリットもあるため、家づくりの際は家族とよく相談しましょう。平屋建ての費用相場は、土地や間取りによって異なりますが、3LDK・4LDKで約1,500万~2,500万円と言われています。

動線や内装、建物の形状にこだわることで、住みやすい快適な家づくりも可能なため、事前に情報収集をしたり、工務店に相談するとよいでしょう。