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天井に木目クロスを使用するデメリット・注意点とは?

天井に木目クロスを使用するデメリット・注意点とは?

天井に使われる素材の種類は、クロスや木材、漆喰や珪藻土など多岐にわたります。家を建てた後に悔やまないためにも、天井にどのような素材を使うかしっかり考えて、自分の理想の家作りを叶えましょう。

今回は、天井に用いられる素材の中から「木目クロス」について、その魅力や注意したい点などを詳しく解説します。木目クロスに興味がある人や、木目クロスのメリット・デメリットについて知りたいという人は、ぜひ参考にしてください。

1.天井に使われる「木目クロス」とは?

天井は、施工の方法によって用いられる材質が異なり、代表的なものとしては、下記の材質があります。

乾式工法 湿式工法
  • クロス系
  • 木質系
  • 無機質系
  • 漆喰系
  • 珪藻土系

天井に用いられる「木目クロス」とは、特定の木材を指すものではなく、「木目調の柄がプリントされた天井クロス」のことです。クロスとは、天井や壁に用いる仕上げ材のことで、ビニールクロスや紙クロスなどの種類があります。施工性に優れており、簡単に張り替えができる点や、汚れ防止・防カビ・調湿性など、さまざまな機能が施された商品がある点などが特徴です。

木目クロスは、本物の木材ではないことから安価な予算で取り入れやすく、多種多様な色味や木目の中から好みの模様を見つけられる点が人気の高い理由の1つです。本物の木材を天井一面に使用することが予算的に難しいという人でも、木の温かみや木目の美しさを楽しめ、デザインに清潔感や統一感を出すことができます。

また、天井のデザイン以外にも、良い家を建てるために気を付けたい項目はいくつか存在します。新築を建てる際は、ぜひ下記のURLのページを参考にしてみてください。

工務店メディアが解説!良い家を建てるためのチェック項目7つ

工務店ができることとは?工務店の概要からハウスメーカーとの違いまで

2.天井に木目クロスを採用するデメリット・注意点4つ

天井に木目クロスを採用することにはメリットもデメリットもあるため、中には天井に木目クロスを選んで後悔してしまう人もいます。天井のクロスを木目にして後悔してしまうポイントとして、「圧迫感がある」「部屋が暗く感じられる」「サンプルと違って見える」「高級感がない」などがあります。

以下の項目では、天井に木目クロスを採用するデメリットと4つの注意点について詳しく解説します。

2-1.圧迫感がある

天井の施工に木目クロスを使用すると、圧迫感が出て部屋が狭く感じてしまうことがあります。壁のクロスに白やオフホワイトなどの膨張色を使用すれば、部屋が明るくなり、広さを感じることができます。しかし、天井高が低い場合や部屋が広くない場合などは、天井に木目クロスを使用することによって天井が低く見えて、窮屈に感じやすくなるため注意が必要です。

対策としては、部屋全体ではなく、天井の一部分のみを木目クロスにする方法があります。一部分のみにすることで、部屋全体を見渡したときに奥行きが感じられる上、圧迫感をなくすことができます。キッチンやリビングのテレビ周りなど、一部分を仕切る形で天井クロスを別のデザインに変えて、アクセントを出しましょう。また、明るめの色味やごちゃごちゃしていないシンプルデザインの木目クロスを選ぶこともおすすめです。

2-2.部屋が暗く感じられる

天井一面に木目クロスを使用すると、部屋が暗く感じられることがあります。白などの明るい色に比べて、ブラウン系の木目クロスは光の反射力が低く、部屋の隅まで光が届きにくいためです。

対策としては、できるだけ白に近い明るい色の木目クロスを選んで天井に施工することです。木目クロスには、濃いブラウンカラーから白色系の明るいカラーまでさまざまな色味があります。できるだけ明るい色味のものを選ぶだけで、部屋が薄暗い印象になることを防ぐことができます。また、インテリアの色味や照明器具の使い方で、部屋の暗さを調整することもおすすめです。

2-3.サンプルとは違った色に見える

木目クロスは、きちんとサンプルを確認して選んだ場合でも、実際に天井に施工するとサンプルとは違った色に見えることがあります。サンプルを見て選ぶことはもちろんですが、木目クロスを選ぶ際は以下のポイントに気を付けましょう。

  • できる限り大きなサンプルを用意して確認する
  • 天井は日の光が当たらないことで実際よりも色が暗く見えるため、希望する色よりも少し明るめのものを選ぶ
  • 昼だけでなく、朝や夜などのそれぞれの時間帯で色の見え方がどう変わるか確認する
  • 部屋全体のテイストに合わせて選ぶ

また、サンプルを天井に掲げて、実際に天井に貼り付けたらどのように見えるかをイメージしながら確認するのもよいでしょう。

2-4.高級感を演出しにくい

木目クロスは、本物の木を張り付けて施工する「板張り天井」と比べると、どうしても高級感を演出しにくい傾向にあります。板張り天井は、本物の木の板を一枚一枚並べて施工するため、木の凹凸感や不揃いな節から木材特有の暖かみや重厚感、高級感を感じることができます。

一方で木目クロスは、木目デザインのプリントクロスのため、木質感や暖かみをリアルに再現することは難しく、単調でフラットな印象となりやすいです。しかし、木目クロスの種類によっては、本物の木目の印象に近いものもあるため、そうしたものを選ぶことで本物の木の高級感に近づけることができます。

3.天井に木目クロスを採用するメリット3つ

木目クロスを天井に使用することは、デメリットばかりではありません。実際に天井材に木目クロスを使用した人の中には、「木目クロスにして良かった」と感じることもあるそうです。木目クロスを使用することの主なメリットとしては、「おしゃれな雰囲気になる」「価格が安い」「内装と合わせやすい」などがあります。

以下の項目では、天井に木目クロスを採用するメリットを3つ紹介します。

3-1.おしゃれで落ち着いた雰囲気になる

天井を木目クロスにすることで、部屋全体がおしゃれで落ち着いた雰囲気になります。家具やインテリアにこだわりがない場合でも、天井を木目クロスにするだけで、インパクトのあるデザイン性の高い内装を演出できます。また、一般的な家とはひと味違うアクセントを入れたいという希望も叶えられるでしょう。

さらに木目クロスは、疑似的に自然を感じられる空間を作れる点もメリットの1つです。癒しやぬくもりを感じられる、ナチュラルテイストのインテリアを希望する人には特におすすめです。

3-2.価格が安く張り替えやすい

木目クロスは、板張りの天井と比べて初期費用が安く、張り替えなどのメンテナンスもしやすい点がメリットです。

張り替えの際にデザインの異なる木目クロスを使用すれば、それまでの部屋の印象をガラリと変えることができるため、変化を楽しみたい人にもおすすめです。また、ノリ付きのものであれば、DIYとして自分で気軽に張り替えられるという魅力もあります。

3-3.内装・家具と合わせやすい

木目クロスは、人工的な模様や派手な色味が使われていないため、内装や家具ともよく合います。特に、ブラウンやグリーンといった自然が感じられるナチュラルな色合いの家具や、木製の家具とは相性がとてもよいでしょう。

また、デザインの種類が豊富なため、色味の加減によってはスタイリッシュやクールといった雰囲気に仕上げることもできます。まずは自分の理想のテイストを決めた上で、天井や内装デザインを考えてみるとよいでしょう。

下記のページでは、一軒家の内装の決め方やおすすめのテイスト例などについて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

一軒家の内装はどう決める?重要な要素・テイスト例・注意点を紹介

まとめ

木目クロスとは、木目調の柄がプリントされたクロスのことで、低予算で多種多様なデザインの中から好みのものを見つけられる点が魅力です。また、張り替えもしやすく、おしゃれでナチュラルな内装を演出できるといった利点もあります。

一方、木目クロスを使うことで、部屋が暗く見える・圧迫感を感じるといったデメリットもあります。木目クロスを使用する際は、明るめの色味を選ぶことで、部屋が窮屈に感じたり薄暗い印象になったりすることを防ぐことができます。また、高級感を演出したい際は、本物の木材の質感・木目に近いクロスを選ぶことがおすすめです。