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注文住宅の建設費用を節約する9つのポイントとは?

注文住宅の建設費用を節約する9つのポイントとは?

注文住宅は自由度が高いことから、建物の構造や面積、間取り、などにこだわって住宅を建てることができます。しかし、こだわりが強すぎるとその分費用がかさみ、予算をオーバーしてしまうケースは少なくありません。

注文住宅の建設費用を節約するためには、建物・間取り・設備を中心に9つのポイントを押さえましょう。当記事では、注文住宅の節約ポイントについてご紹介します。注文住宅の建設費用を抑えたい人は、ぜひお役立てください。

1. 注文住宅の節約ポイント|建物

注文住宅を建てる際、建設費用を節約するポイントとして建物の形状・構造・サイズなどに関するものがあります。こだわりを詰め込みすぎて建物の構造が複雑になったり、必要以上に広くしたりすると費用はかさむ一方です。

ここでは、建物全般に関するコスト削減のポイントとして、特に重要なものを3つ紹介します。

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1-1. 建物をシンプルな形状にする

建物をシンプルな形状にすると、建設費用を節約できます。建物の構造が複雑になるほど建設に必要な工数が増えるため、コストも高くなりがちです。

工事に時間がかかると、その分の大工の人件費も発生します。純粋な家づくりの費用とは別のところでもコストがかかるため、シンプルな形状であるほど節約効果は大きくなります。

また、一般的に建物の形状がシンプルであるほど災害に強く、温度調節も効率的です。個性的な形状の建物に住むのもよいですが、安全性や快適さを考えるとシンプルな形状のほうがメリットが大きいといえるでしょう。

1-2. 屋根をシンプルな形状にする

屋根には、切妻・片流れ・寄棟・方形などさまざまな形状があります。建物の構造と同様に、屋根もシンプルな形状のほうが建設費用を節約できます。

また、屋根の傾斜が急になるほど工事が難しくなるため、その分の費用がかさむことも覚えておきましょう。切妻や片流れのようなシンプルな形状で、なおかつ傾斜がゆるやかな屋根にすると建設費用を大きく節約できます。

屋根の形状がシンプルであるほど雨漏りしにくく、メンテナンス費用も安く済みます。特別なこだわりがない限り、シンプルな屋根を選びましょう。

1-3. 延床面積を小さくする

延床面積とは、1つの建物において、すべての階の床面積を合計した面積のことです。居住スペースの広さをあらわす数値であり、建物面積とよばれることもあります。注文住宅の建築コストを節約するには、延床面積を小さくするのも1つの方法です。

とはいえ、「せっかく自由にデザインできる新築注文住宅なのに、わざわざ狭くするのはもったいない」と思う人もいるでしょう。広々とした家に憧れるけど節約もしたいという人は、下記のような工夫をしてみてください。

  • インテリアを淡色で統一する
  • 家具の高さを低くする
  • 吹き抜けを設ける

上記のような工夫をすると、同じ面積でも広く感じられます。

2. 注文住宅の節約ポイント|間取り

注文住宅は、自分好みの間取りを実現できることが魅力です。そのため注文住宅を建てる場合、多くの人は間取りを重視します。
ただし、建築費用を節約したい場合は間取りについて慎重に考えなければなりません。間取りを最適化することで、住宅の建築費用を大幅に節約できる可能性があります。

ここでは、建築費用を節約するために、考慮すべき間取り関連のポイントとして特に重要な3点を紹介します。

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2-1. 間取りをシンプルにする

間取りが複雑になればなるほど、建設費用は膨れ上がります。建設費用を抑えるためには、下記の3つを意識しながらシンプルな間取りにするのがポイントです。

  • 仕切り壁を少なくする
  • 廊下や部屋数を減らす
  • 和室のような特別な部屋はつくらない

上記3点を意識するだけでも、建設費用の節約につながります。家族の人数に合わせて必要最小限の部屋数にとどめ、使わない部屋は最初からつくらないことが大切です。あれこれを詰め込みたくなる気持ちもありますが、なるべくシンプルな間取りを心がけましょう。

2-2. 水回りを1か所に集める

水回りを1か所に集めることも、建設費用を節約する上で大事なポイントです。水回りの配置が散らばっていると、排水管を伸ばす工事が必要になります。トイレ・キッチン・お風呂・洗面所など、水回りの設備はなるべく近くにまとめましょう。

また、水回りを1か所に集めることで、家事動線がシンプルになるのも大きなメリットです。洗濯作業の時短になる、掃除が楽になるなど、住みはじめてからのメリットも見逃せません。

2-3. バルコニーの数・大きさを抑える

バルコニーの数・大きさを抑えることも、建設費用の節約につながります。バルコニーは、洗濯物を干したり観葉植物を置いたり、さまざまな使い方ができる便利なスペースです。しかし、便利だからといって何個もつくると建設費用がかさむ原因になります。実際に、バルコニーが2か所以上あるものの、1か所以外はほとんど使っていないケースも少なくありません。

バルコニーを大きくするほど補強工事の費用も高くなります。最適な大きさは使う目的によって変わりますが、洗濯物を干す程度であれば奥行き90cmくらいあれば十分です。

「バルコニーは多くても2か所まで」「必要以上に大きくしない」ということを意識すると、無駄な出費を抑えられるでしょう。

3. 注文住宅の節約ポイント|設備

注文住宅を建てる際には、設備に強いこだわりを持つ人が多くいます。理想の環境で暮らすためには、設備や内装にこだわることも大切です。しかし、導入する設備によっては費用が莫大になります。

ここでは、設備関連で節約するためのポイントについて、代表的なものを3つ紹介します。

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3-1. ドア・窓・戸を減らす

設備関連で節約したい場合、ドア・窓・戸の数はできる限り少なくすることがポイントです。1枚増えるごとに材料費も工事費もかさむため、配置を工夫して数を減らせないか考えてみましょう。

なるべく安く済ませたいという人は、それぞれの大きさにも注意しましょう。一般的に、ドア・窓・戸が大きくなるほど費用も高額になります。家族の身長も考慮しつつ、必要以上に大きくならないように気をつけましょう。

ただし、予算を気にしてドア・窓・戸を小さく少なくしすぎると、冷暖房効率が悪くなったり部屋が暗くなったりするなど、光熱費関係のデメリットもあります。完成後のイメージがわかないときは、業者と相談しながら考えてみましょう。

3-2. 設備のグレードを熟慮する

「一生に一度の大きな買い物だから」といって、すべてをハイグレードな設備にすると予算オーバーしかねません。限られた費用のなかで自分たちの理想を実現するには、設備のグレードもメリハリをつけることがポイントです。1日の大半を過ごすリビングや、癒しの空間となるお風呂や寝室の設備にこだわり、その他は一般的なグレードで仕上げるとよいでしょう。

設備のグレードを考える上で大切なのは、自分たちの価値観を明確にすることです。すべてのコストを抑えるのではなく、大事なところにはきちんとお金をかけましょう。

設備のグレードまでひと通り決めたら見積もり書の作成を依頼し、見積もり書と予算を照らし合わせながら設備のグレードを調整しましょう。

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3-3. 簡単な設備は施主支給にする

照明・カーテン・エアコン・ポストのような簡単な設備は、施主支給にすると建設費用を節約できます。施主支給とは、施主自身が購入した設備を現場に支給することです。

生活に必要な設備は施工会社がひと通り用意してくれる場合がほとんどですが、設備の値段は施工会社が契約しているメーカーによってさまざまです。施工会社が用意する設備は必ずしも安いものではない上に、中間マージンが取られるというデメリットもあります。

「なるべく費用を抑えたい」「設備にもこだわりたい」という人は、施工会社にその旨を伝えた上で施主支給にするとよいでしょう。

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まとめ

注文住宅の建築費用を節約するなら、建物の形状・間取り・設備に注目し、それぞれの項目でシンプルさを意識することで予算オーバーを防げます。

注文住宅は自由度が高いためこだわりを詰めたくなりますが、コストダウンしたいのであれば本当に必要かどうかをよく考えた上で、省ける部分は省きましょう。設備のグレードはメリハリをつけることがポイントです。また、照明やエアコンなどの簡単な設備は施主支給にするのも、建築費用のコストダウンにつながります。