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一戸建てで人気の間取り14選|間取りを考える際の注意点も解説!

一戸建てで人気の間取り14選|間取りを考える際の注意点も解説!

一戸建てで人気の間取りはいくつかあり、対面キッチンやパントリー、リビング階段などが挙げられます。中にはデッドスペースを有効活用でき、開放感・採光性に優れた間取りもあります。一戸建ての間取り選びで重視するポイントは家族によって異なるため、何を基準に選べばよいか悩んでいる人もいるでしょう。

当記事では、一戸建てで人気の間取りと、間取りを考えるときの注意点を解説します。人気の間取りの特徴やメリットが知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.一戸建てで人気があるおすすめの間取り14選

一戸建ての新築・リフォームを機に、人気の間取りを採用して理想的なマイホームを実現したいと考えている人も多いでしょう。人気のある間取りが必ずしも自分のライフスタイルに合っているとは限りませんが、選ぶ人が多い間取りには人気の理由があります。

ここでは、一戸建てで人気があるおすすめの間取りを14種類紹介します。間取りの特徴やメリットをふまえた上で、家づくりに役立てましょう。

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1-1.対面キッチン

対面キッチン(対面式キッチン)とは、キッチンとダイニング・リビングが対面しており、それぞれが壁などで完全に遮られていないレイアウトのキッチンのことです。対面キッチンには、壁からキッチンを離して島のように独立して配置する「アイランドキッチン」や、キッチンの片側を壁に付ける「ペニンシュラキッチン」などの種類があります。

対面キッチンはオープンキッチンとも呼ばれており、開放感があるためLDKを広く感じやすいというメリットがあります。LDKで使用する色や素材・デザインに統一感をもたせると、より一体感のあるおしゃれな空間を演出できるでしょう。

また、対面キッチンのメリットとして、キッチンでの作業中にダイニングやリビングの様子を確認しやすいことが挙げられます。リビング学習などリビング・ダイニングで過ごす子どもの様子を近くで見守れるため、子育て世帯におすすめの間取りです。

1-2.パントリー

パントリーとは、常温で保存できる食品や食器、消耗品など、主にキッチン周りのものを収納するスペースのことです。パントリーの種類には、壁の一部を活用した「壁付けタイプ」、中に人が入れる「ウォークインタイプ」、中を人が歩いて通れる「ウォークスルータイプ」などがあります。

週末などに食料品をまとめ買いする家庭の中には、「買った食料品の置き場所に困っている」という家庭もあるでしょう。パントリーがあれば、まとめ買いした食料品や普段はあまり使わない食器・調理器具、お米や野菜をまとめて貯蔵・収納できます。共働き世帯や家族の人数が多い家庭、食料品や日用品の買い置きが多い家庭におすすめです。

1-3.リビング階段

リビング階段(リビングイン階段)とは、リビングに階段を設置した間取りのことです。吹き抜けとの相性がよく、視覚的な広がりを感じやすいため、明るく圧迫感の少ないリビングにしたい人におすすめです。

上下階を移動するときはリビングを通る必要があるため、リビング階段には家族の帰宅や外出を把握しやすいというメリットがあります。家族が顔を合わせる機会を増やせるため、家族間のコミュニケーションも自然と増えるでしょう。小さな子どもがいる家庭や、小学生以上の子どもがいる家庭にもおすすめの間取りです。

1-4.ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットとは、人が歩いて入れる程度のスペースが確保されたクローゼットのことです。広いスペースに衣類や鞄、帽子やアクセサリーなどの小物も収納できるため、収納したアイテムの管理がしやすいメリットがあります。

ウォークインクローゼットは寝室付近に設置するのが一般的でしたが、最近ではランドリールームとの動線を意識した間取りを選択する家庭もあります。洗濯動線上に家族共用の「ファミリークローゼット」を配置すると、洗濯と衣類の片付けを効率化できるでしょう。衣類に関する家事を効率化したい人におすすめの間取りです。

1-5.間仕切りできる部屋

間仕切りできる部屋とは、1つの空間を壁やパーティションで複数に区切りやすい部屋を指します。間仕切りしやすい部屋を設けておくことで、家族のライフステージ・ライフスタイルの変化や、家族構成の変化に柔軟に対応できるようになります。たとえば、「子どもが小さいうちは1つの子ども部屋を広く使い、成長したら壁で部屋を区切ってそれぞれの個室にする」というケースでは、間仕切りできる部屋がよいでしょう。

特に、2人以上の子どもを育てたいと考えている夫婦や、将来自身や配偶者の親と同居する予定がある家庭は活用しやすい間取りです。リモートワークが多い人には可動式の間仕切りのある部屋もおすすめです。

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1-6.ロフト

ロフトは屋根裏部屋(小屋裏収納)とも呼ばれるスペースであり、部屋の一区画を二層式構造にしたときの上部空間のことです。住宅の基礎部分の面積や建物の階数を増やすことなく、生活スペースや収納スペースを作れます。デッドスペースをうまく活用できるため、広い面積をとれない住宅や平屋住宅などで活躍するでしょう。

ロフトは収納スペースとして使用されることが多く、オフシーズンの衣類や季節家電・インテリア用品などの保管に重宝します。また、子どもの遊び場や書斎、趣味の部屋としても活用できます。季節ものの収納スペースが欲しい人や、子どもが思い切り遊べる空間が欲しい人、集中したい趣味がある人にもおすすめです。

1-7.書斎

書斎とは、仕事や書き物・読書などを自宅で集中して行うための部屋を指します。近年ではテレワークが普及したことや、趣味に集中するための部屋を求める人が増えたことから、書斎も人気な間取りの1つです。書斎部屋として1つの部屋を設ける以外にも、リビングや寝室、廊下の一画に書斎スペースを設ける方法もあります。

書斎やワークスペースを設けるメリットには、仕事や勉強、読書などの活動を集中して行えることが挙げられます。1人で趣味を楽しむ空間としても家族と作業する空間としても使えるため、テレワークが多い人や趣味に集中したい人、子どもと一緒に勉強したい人にもおすすめです。

1-8.和室

和室とは日本風の部屋のことであり、現代では主に畳敷きの部屋やスペースのことを指します。従来は客間として使用されるケースが一般的でしたが、近年では高い機能性・デザイン性を兼ね備えた和室が増えてきたこともあり、客間以外の用途でのニーズもあります。

たとえば、リビング続きの空間を和室コーナーにすることで、客間としても子どもの遊び場としても活用しやすくなります。家族がくつろぐ空間として利用できるほか、体調を崩した家族を一時的に看病するための空間としても活用できるでしょう。和の雰囲気を感じていたい人や宿泊を伴う来客が多い家庭、小さな子どもがいる家庭におすすめの間取りです。

1-9.吹き抜け

吹き抜けとは、2階建てや3階建てなど2つ以上の階層がある住宅において、上階の床と下階の天井を設けずに1つにつなげた区画を作る間取りを指します。

天井が高い位置にある吹き抜けは開放感があるため、玄関ホールやリビングなどに採用されやすい傾向にあります。窓を高い位置につけることで自然光を取り入れやすくなるため、採光性を重視している人にもおすすめです。

また、吹き抜けは上階と下階がつながる空間であるため、下階にいる家族と上階にいる家族がコミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。明るい印象の玄関ホール・リビングにしたい人や自然の光を感じられる家にしたい人、家族とのコミュニケーションを重視したい人におすすめの間取りです。

1-10.2階リビング

2階リビングとは、リビングを2階に設ける間取りのことです。キッチンやダイニングも合わせて2階にレイアウトし、1階部分には寝室や子ども部屋を配置するケースが多いでしょう。

2階にリビングを設けるメリットには、1階よりも高い位置にあるため自然の光や風を取り入れやすく、良い眺望を楽しめることが挙げられます。道路や近隣の住宅からリビングが見えにくいため、プライバシーも確保しやすいでしょう。日中にリビングで過ごすことが多い家庭や、道路や近隣の住宅との距離が近い土地に住宅を建てる人におすすめです。

1-11.洗面・脱衣所が別

洗面所(洗面室)と脱衣所を分けて配置するレイアウトも、近年人気を集める間取りの1つです。洗面所と脱衣所を1つにまとめる従来の一般的な間取りには、洗濯動線がスムーズというメリットがあります。一方で、「手を洗いに行った来客に脱衣所や洗濯物を見られる可能性がある」「家族の入浴時に洗面所を使いにくい」という課題もありました。

洗面所と脱衣所を別にすれば、家族や来客が気兼ねなく使用したい場所を利用できるようになります。洗面所にお風呂からの湿気が流れ込みにくいため、ヘアセットやメイクなどの身支度もしやすいでしょう。家族の人数が多い世帯や来客が多い家庭、身支度に時間をかけたい家族がいる世帯にもおすすめの間取りです。

1-12.床下収納

床下収納とは、床下のデッドスペースを生かした収納スペースのことを指します。常温保存できる食品や日用品のストックを収納する目的で設置する人が多く、キッチンや洗面所などの床下に設置するケースが一般的です。

床下収納を設けるメリットには、居住空間を削減せずに収納スペースが確保できることが挙げられます。パントリーやクローゼットといった収納スペースを取れる広さがない住宅でも、床下収納であれば食料や日用品をすっきりと収納できるでしょう。食料品や日用品のストックが多い人や、災害時に使用するものを保管したい人にもおすすめの間取りです。

1-13.廊下収納

廊下収納とは、廊下部分に設けた収納スペースを指します。特に壁の中に埋め込むタイプの「埋め込み収納」は廊下の幅に影響を及ぼさないため、収納スペースを増やしながら廊下を広々と使えるでしょう。

廊下は部屋と部屋をつなぐ部分であるため、廊下に収納スペースを作ることで移動の際に片づけをしやすくなるというメリットがあります。スリッパや靴磨きなど玄関先で使用するものや、掃除用品など複数の部屋で使用するものなどの収納に活躍するでしょう。

また、読書好きの人は廊下収納を本棚や読書スペースとして活用するのも1つの方法です。廊下は家族もアクセスしやすい場所であるため、子どもも読書を身近に感じられるでしょう。家事動線・生活動線上に、家族の誰もがアクセスしやすい収納スペース・趣味スペースが欲しい人におすすめの間取りです。

1-14.階段下収納

階段下収納とは、階段下のデッドスペースを生かした収納のことです。階段下のスペースがキッチンに近い場合はパントリーに、リビングに近い場合は子どものおもちゃの収納などに活用してもよいでしょう。玄関付近に階段を設ける場合は、靴箱(シューズクローク)や玄関収納、土間収納として使用できるよう造り付けの棚を設けるのも1つの方法です。

階段下のスペースは一般的な押し入れと同程度の奥行きがあるため、大きな家電や生活用品を収納できるメリットがあります。コンセントを設けると、コードレス掃除機やお掃除ロボットも充電しながら収納できるでしょう。家族が多く収納するものが多い家庭や、生活感を抑えて洗練された暮らしをしたい人にもおすすめです。

2.一戸建てで人気の間取りにしたい!注意点やポイントはある?

一戸建てで人気のある間取りには多くのメリットや魅力がありますが、必ずしも自分や家族のライフスタイルに合うわけではありません。人気という理由だけで間取りを選ぶと後悔する恐れがあるため注意しましょう。

ここでは、一戸建ての間取りを考える際の注意点と押さえておくべきポイントを解説します。自分や家族の生活習慣を考慮した間取りを選び、快適なマイホーム生活を実現させましょう。

2-1.失敗事例を参考にする

一戸建ての間取りを考える際には、注文住宅を建てたことがある人の失敗事例をもとに、後悔しにくいレイアウトを検討するのが大切です。家族全員が使うLDKや浴室・ランドリールームなどの水回り、寝室・子ども部屋といったプライベートルームを中心に失敗例を参考にしながら慎重に間取りを決めましょう。

間取りの決め方は、自分や家族が重視するポイントによっても異なります。失敗事例を参考にしつつ、家族から希望やこだわりを聞いた上で総合的に判断しましょう。

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2-2.生活動線をスムーズにする

間取りを考える際は、家族が生活する上で家の中をどのように移動するか、家事動線や生活動線の回遊性を意識したレイアウトを検討するのが大切です。

家事動線は家事を行う際に通る道筋であり、生活動線は家族がリビングやキッチン、浴室、トイレなどを移動する際に通る経路を指します。移動距離が長く複雑になっていると、疲労感やストレスを感じやすくなる点に注意しましょう。家事効率や生活効率を上げるためにも「移動距離は短くシンプル」を念頭に置いた間取りを検討してください。

2-3.デザイン性と実用性を考える

マイホームは人生の中でも大きな買い物の1つであるため、「せっかくならおしゃれなマイホームを建てたい」と考えている人も多いでしょう。しかし、デザイン性を重視しすぎると実用性が失われやすいので注意が必要です。

マイホームで快適な生活を送るためには、デザイン性だけでなく実用性・機能性も重要なポイントです。デザイン性と実用性の両方を考え、バランスのよい空間になるようレイアウトを考えましょう。

2-4.収納を充実させる

広い居住空間を求めて収納場所を削減する人も多いでしょう。しかし、収納スペースが少ない家では、今は使わないものや子どものおもちゃ・作品などが居住空間にはみ出してしまい、かえって居住空間を狭く感じる場合もあります。収納を充実させて収納力を高めると、心地よい居住空間の実現につながります。

収納スペースの数や広さ・収納位置を考える際には、スペースに収納するものや量をよく考えることが大切です。子育て世帯の場合は、子どもの成長に伴って収納量が増えることをふまえた上で収納不足にならないようスペースを考えましょう。

2-5.ライフプランを考慮する

一戸建ての間取りを考える際は、家族の現在のライフスタイルだけでなく、将来の家族構成やライフプランも考慮するのが大切です。年を重ねて足腰が弱くなったときや、子どもが巣立ったとき、高齢の両親と同居するときなど、今後の生活の変化に対応できる間取りを考えましょう。

たとえば、車いすがスムーズに通れるよう通路幅を広く確保したり、子ども部屋の壁を撤去しやすいものにしたりといった工夫が考えられます。あらかじめリフォームしやすい間取りにするのもよいでしょう。

2-6.家の周辺環境を確認する

一戸建ての間取りを考える際は、家だけでなく周囲の環境も大切です。光の入り方や風の通り方は近隣の住宅の立ち方によっても影響を受けるため、周囲の建築物はしっかりと確認しましょう。

また、道路に面した土地の場合、リビングや浴室・トイレの位置にも注意する必要があります。家の外からの視線や距離感を考慮した上で、プライベートを重視したい空間の位置を決めたり、目隠しとなる生垣やフェンスを設置したりといった対応を考えましょう。

まとめ

一戸建ての間取りにはさまざまな種類があり、中でも対面キッチンやロフト、書斎、収納スペースとして有効活用できる間取りもあります。人気の間取りを選んで失敗しないためには、人気という理由やデザイン性だけでなく、実用性を兼ね備えた間取りを選ぶとよいでしょう。

間取りの特徴とメリットを把握した上で、失敗事例を参考にするのも失敗を回避するポイントです。間取りを決める際は、家族の希望やこだわりを聞いた上で総合的に判断するのをおすすめします。