工務店選びの知識

腕のいい大工の特徴は?探し方・依頼方法・工務店選びのポイントも!

家づくりでは、木材の加工や基礎工事など、建築現場の技術力に左右される部分が多々あります。同じ設計図でも携わる人材の力量によって住宅の品質が異なるため、依頼するハウスメーカーや工務店だけではなく、実際に工事を行う大工の質が気になる方もいるでしょう。

また家は、一生に一度の大きな買い物です。お金をかけてでも一流の大工に建築を依頼して、後悔のない家づくりをしたいと考える方は少なくありません。

当記事では、腕のいい大工の特徴から、探し方・依頼方法までを詳しく解説します。

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1.腕のいい大工の特徴4選

腕のいい大工の主な特徴として、次の4つが挙げられます。

【腕のいい大工の特徴】

  • 巾木や窓枠などの隙間にこだわる
  • 見えない部分まで丁寧に作業する
  • 現場を整理整頓している
  • 道具を大切にする

以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。モデルルームや現場見学などで注目するとよいでしょう。

1-1.巾木や窓枠などの隙間にこだわる

腕のいい大工は、巾木や窓枠など住宅の細かい部分まで丁寧に仕事をします。巾木とは、住宅内部の壁の足元に取りつけられた、床から数センチほどの板のことです。巾木には、壁と床の隙間を埋める役割や、掃除機等の衝撃からクロスを守る役割があります。

さらに腕のいい大工は、巾木と壁に隙間ができないよう施工します。また、巾木同士の継ぎ目も、美しく処理されていることが特徴です。

また窓枠に関しても、腕のいい大工なら壁と枠、枠と枠の隙間がないように施工します。窓は住宅の開口部であり、雨風によって傷みやすい部分です。施工が疎かであると、のちのち雨漏りや窓枠の破損、壁紙の劣化が起きやすくなると言われています。

窓枠や巾木は、普段の暮らしではあまり気にとめない部分であるため、モデルルームや見学会で見逃してしまう人は少なくありません。しかし、職人の技は細部を見たほうが判断しやすいため、しっかりと確認しておきましょう。

1-2.見えない部分まで丁寧に作業する

腕のいい大工は耐震施工や断熱施工など、安全で快適な暮らしに必要な工事も丁寧に行います。

特に断熱施工は、作業の丁寧さによって大きく効果が異なります。適当に断熱材を敷いただけでは、隙間から熱が逃げてしまい、十分な効果を得ることができないばかりか、結露やカビの原因にもなります。断熱効果を高めるためには、住宅の構造に合わせて内壁に隙間なくきっちりと断熱材を敷き詰めることが大切です。

しかし、完成した住宅を見ても判断できない部分であるため不安に思う方もいるでしょう。見えない部分の施工に関する判断基準として次の3つが挙げられます。

  1. 施工前に説明がある・聞くと分かりやすく説明してくれる
  2. 現場見学会に参加する
  3. 見える部分の施工も丁寧かどうか

知識と技術を兼ね備えた一級の大工は、事前に使用する断熱材や工事内容を説明してくれることが一般的です。また、工事中の現場を訪ねられる現場見学会に参加することも1つの手です。さらに、見える部分すら疎かにする大工が、あえて見えない部分を丁寧に工事するとは考えにくいでしょう。木や窓枠などの見える部分すら雑な場合は、注意が必要です。

1-3.現場を整理整頓している

家づくりの現場には、資材や工具などがたくさん置かれています。腕のいい大工は、材料や道具を適切に扱い、現場をいつも整理整頓しています。現場が雑然としていると、部品を忘れるなどの施工ミスや、転倒や転落などの人的事故も起こりかねません。

また、現場にゴミが散乱している状態だと、壁の塗装にゴミが付着して、除去や塗り直しのために工期が長引く恐れもあります。さらに、タバコの吸い殻のポイ捨てなどは、依頼主だけでなく近隣住民に不信感を与え、クレームにつながることもあるでしょう。

依頼後に後悔をしないためにも、事前に工事現場の見学などをして、整理整頓がされているかどうかを確認することが大切です。

1-4.道具を大切にする

大工にとって道具とは、仕事の品質や効率を左右する大切なパートナーです。刃の錆びたのこぎりや鉋では、木材を寸法通りに切ったり削ったりすることができません。寸法通りの加工が求められる建築業界において、道具の不具合は事故や品質の劣化を招きます。

現場見学や施工事例の写真などを見て、道具が現場に無造作に置かれていないか、錆びた道具を使っていないかなどを確かめましょう。

2.腕のいい大工の探し方と依頼方法

ハウスメーカーや工務店など、注文住宅を扱う会社は数多くあるものの、腕のいい大工は年々減少していると言われています。

特に近年は、人の手で木材加工を行う「在来工法」から、機械が木材をカットする「プレカット工法」へ工法が変化していることにより、技術継承が深刻な問題となっています。また、職人気質で、コミュニケーションや交渉が得意ではない大工も多いため、高い技術を持つ人でも個人からの依頼を受けることはまれです。

そのため、腕のいい大工を探し、仕事を依頼することは難しいと言えます。身近な方法としては、住宅展示場などで丁寧な仕上がりの家を見つけた場合に、その家を手がけた工務店に腕のいい大工を探している旨を伝えるとよいでしょう。

2-1.腕のいい大工を抱える工務店を見つけることが重要

個人が腕のいい大工に家づくりを任せたい場合は、大工とのコネクションを持つ工務店に依頼することがおすすめです。腕のいい大工の多くは、家を建てることに集中したいと考えており、宣伝や営業活動をしない傾向にあります。知人の紹介などがないかぎり、直接依頼するのは難しいでしょう。

しかし、工務店の中には、大工の技術や木材加工の重要性を理解している企業や、貴重な大工技術を若手に継承しようと取り組んでいる企業が存在します。そのような工務店には、伝統技術を持つ職人やいい家づくりを追求する一流の大工が集まります。

家づくりを誰に任せるか考える際は、大工個人にこだわらず、大工とのつながりを大切にする工務店を見つけることも視野に入れましょう。

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3.腕のいい大工以外にも!工務店選びで注目するポイント

一般の個人が腕のいい大工に仕事を頼むには、腕のいい大工とつながりのある工務店を選ぶことが大切です。とはいえ、工務店を選ぶ際は、大工の質だけを重視すればよいわけではありません。

以下では、工務店選びで注目すべきポイントについて詳しく説明します。

3-1.大工以外の職人の質

住宅建築の工程は、大工だけで成り立っているわけではありません。設計士や左官職人、建具職人、瓦職人など多くの職人の技術が重なってようやく完成します。そのため、ほかの職人のレベルが低かったり、質の低い下請け業者に一部工事を委託するシステムをとっていたりすると、完成した家に不満を感じることもあるでしょう。

工務店選びを行う際は、どのような種類の職人を抱え、自社でどのような工事に対応できるかを把握することが大切です。

3-2.相談のしやすさ

いくら腕のいい大工であっても、「話しかけづらい」「こちらの要望を聞き入れてもらえない」など、コミュニケーションがスムーズに取れず困ることがあります。一方で、工務店経由で大工に仕事を任せる場合、工務店のスタッフが窓口となって大工とやり取りしてもらえることが一般的です。疑問や不安について気軽に相談できる体制が整っているか、担当のスタッフの対応が丁寧かどうかなどを見極めることが大切です。

また、すべてを業者や大工に任せっきりにするのではなく、分からない点は都度確認し、要望がある場合は工程が進む前にきちんと伝えましょう。

さらに、アフターサービスが完備されている工務店であれば、完成後も安心です。定期点検や長期保証など、具体的なサービスを確認した上で工務店を選ぶことも重要です。

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まとめ

腕のいい大工を探すには、見学会や工事現場で建物の細部や現場の状態などを確認することが大切です。仕事に誇りを持つ大工は作業も丁寧で、資材や道具の管理にも無駄がありません。

また、腕のいい大工に依頼するには、大工とのコネクションを持つ工務店を探すことも重要なポイントです。大工の仕事を理解し、技術に敬意を払ったサービスを提供する工務店は大工からも愛されています。工務店や大工の質を見極めるためにも、ぜひ現場見学やモデルハウス見学などを積極的に行ってみましょう。