ハウスメーカーが「家を売る会社」であるのに対して、「家を建てる会社」のことを工務店と呼びます。工務店で家を建てることは、ハウスメーカーとは違ったさまざまなメリットがあり、年々需要が高まっています。一方で「選び方と頼み方によっては後悔が生まれる」という意見も少なくありません。
当記事では、工務店で家を建てるメリット・デメリットを把握した上で、より信頼できる工務店選びのポイントについて紹介します。納得のいくマイホームを建てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1.工務店で家を建てた場合によくある後悔とは?
工務店で家づくりをした際に感じた後悔として、下記の3点がよく挙げられます。
- 間取りをもっと真剣に考えればよかった
- できあがりのイメージがつかめず、要望を出しきれなかった
- 複数の工務店を比較しなかった
おおよその規格が決まっているハウスメーカーとは違い、依頼者の希望に沿って間取りの希望を出せる工務店に頼んでいるからこそ、生まれてしまう後悔でしょう。特定の会社に限った話ではなく、工務店で家を建てる方全員に該当する可能性があります。工務店で家を建てる際は、間取りなどの構想をしっかり練ってから依頼しましょう。
また工務店は、ハウジングパークのように複数社を比較する機会がありません。自分の足で実際に工務店を訪れて話を聞く必要があり、何社も回る時間や手間を省いて十分な比較・合見積を取らずに決断した結果、後々の後悔につながるパターンもあります。
2.家を建ててから後悔しないために!工務店で家を建てるメリット・デメリット
マイホームの購入は、人生の中でも慎重に判断するべき大きな買い物です。今後の暮らしの中で多くの時間を過ごし、たくさんの思い出が生まれる空間となるでしょう。
建て終えてから後悔することがないよう、工務店で家を建てる際のメリット・デメリットを十分に把握した上で検討を進めていくことが大切です。
2-1.工務店で家を建てるメリット3選
工務店で家を建てるメリットは、以下の3点です。
施工の自由度が高い |
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ある程度仕様や規格が決められている大手ハウスメーカーとは異なり、工務店に直接注文する場合は依頼者の意見が反映されやすく融通が利きやすいです。 要望や予算を受け入れる柔軟な設計が可能なため、思い描いているイメージに限りなく近づける家作りができるでしょう。実際の現場を見ながら、キッチンカウンターの高さや窓の位置を決めたという方もいます。 |
安く済む可能性が高い |
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中小規模の地域に密着した工務店は、住宅展示場の維持費・テレビCM等の広告費や大規模な人件費といったコストがかからない分、間接的な費用の上乗せがありません。同じ価格帯であれば、工務店のほうがコストパフォーマンスの良い家が建てられることが多いです。 また、ハウスメーカーでは規格外として追加オプションとなるものも、工務店だと材料費のみで対応してもらえることもあります。こだわりがある方ほど安く済む可能性が高いでしょう。 |
地域に特化した親身な対応 |
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地域に密着している地元工務店だからこそ分かる情報があり、土地探しの相談など、幅広い面で親身なサポートを受けられます。地域の特徴や住宅環境を考慮した家作りや、完成後のアフターサービスを迅速に対応してくれる場合が多いことも特徴の1つです。 |
2-2.工務店で家を建てるデメリット3選
一方、工務店で家を建てるデメリットは、以下の3点です。
工期がかかりやすい |
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少人数制の工務店では、地鎮祭・着工式などの伝統行事や儀式を重んじることも多く、対応が遅くなることがあります。また、工場で大部分を加工して運ぶ大手メーカーとは異なり、現場での作業が主となるため、天候や人員数にもよりますが工期は着工後、半年前後と比較的長くなりがちです。 |
品質が職人の腕に左右される |
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大型工場を持たない工務店は、職人が現場で一から作業することがメインのため、住宅の品質はどうしても職人の腕に左右されてしまいます。 また、最新技術に対応できていない場合もあり、設計者の技術や知識が何年も前の状態で止まっていることもあるため、工務店の技術レベルを見極めることが重要になります。 |
住宅についての知識をある程度つけないと、工務店の良さを生かしきれない |
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工務店の主な業務は、建築や工事の手配・管理のため、提案力やアイディア力が期待できるか否かは担当の営業マン次第です。 「カフェのようなリビング」のように、大雑把な伝え方ではイメージ通りの内装にならない場合もあります。工務店のアイディア力によっては、デザインや性能などの希望を明確に伝えた方が良いため、依頼者側も住宅についての知識をある程度身につけておきましょう。 |
3.工務店選びで後悔しないために!押さえるべき5つのポイント
一概に「工務店」といっても、品質や設計力、アフターサービスといった部分は、会社ごとに非常に大きな差があります。すべてがマニュアル化・規格化されているハウスメーカーと比べると、工務店は会社ごと、場合によっては店舗ごとの対応のバラつきが大きいといわれています。
工務店選びで後悔することがないよう、下記の5つのポイントを押さえましょう。
3-1.建築予定の場所から近い工務店を選ぶ
距離が遠ければ遠いほど、移動時間の分だけ職人や現場監督、営業マンの実働時間が減ってしまい、施工管理の品質が下がるリスクが生まれます。目安としては、建設現場から車で1時間圏内の工務店を選ぶようにしましょう。
また、家から工務店までの距離は、長い目で見たときのサポート力にも大きく関わってきます。アフターフォローやメンテナンスなど、何かあった時にすぐ駆けつけてくれる距離感の店舗を選ぶと安心です。
3-2.経営力のある工務店を選ぶ
中小規模の工務店は社会の情勢に左右されて経営が傾く可能性もあります。年間の建築実例数や経営年数などを見て、経営状況が安定している工務店を選びましょう。
全国的に見て、あまり多くはありませんが「住宅完成保証制度」という保険が使える工務店もあります。この制度を使うと、保険料の一部を依頼者が負担することになりますが、万が一倒産などで施工が完了しなかった場合に保険金がおります。
長年、地域に密着して経営を続けている工務店は、経験豊富な腕の良い職人を揃えていることが多いというメリットがあります。メリットを生かしつつ、安心して住宅建設の依頼をするためにも、工務店の経営力はしっかりと注視しましょう。
3-3.実物をチェックできる工務店を選ぶ
モデルハウスを構えている工務店は多くないため、実物の品質をチェックするためにも完成見学会や入居宅見学会を積極的に行っている工務店を選びましょう。
建設後をイメージして設計できるようになるだけでなく、雰囲気や導線、開放感などパンフレットや3D設計図だけでは分からなかった部分に気づくきっかけになります。また、オーナー宅見学会を行っていれば、ハウスオーナーから工務店の対応や家の住み心地など、家づくりの参考になる話を直接聞くことも可能です。
3-4.トータルサポートをしてもらえる工務店を選ぶ
トータルサポートとは、「土地探しから施工後のメンテナンスまで必要なすべての補助」を意味しています。
下記は、トータルサポートの一例になります。
- 土地探し
- 敷地の現地調査
- 資金計画のアドバイス
- ローン手続き
- 間取りや設備の提案
- 施工管理、現場立ち合い
- 関連法の許認可書類の作成
- 定期点検やアフターメンテナンス
家作りに必要なことを総合的にサポートできる体制が整っているかどうかも、重要なポイントの1つです。サポートを活用することで依頼者の負担も減り、間取りや内装の検討に十分な時間を使うことができるでしょう。
3-5.自社施工の工務店を選ぶ
契約だけをとり、肝心の施工は下請け業者に流すといった形式をとる工務店も存在します。
家は、大工だけでなく電気や配管など、さまざまな分野の職人が力を合わせて作りあげるものです。営業・設計・施工が一貫化されていることで、現場の距離が近く、情報の伝達漏れや意識の相違による建築トラブルを防ぐことができます。
自社の抱える、腕の確かな職人が施工を担当する「自社施工」を強みにしている工務店を選ぶと安心です。
4.家づくりで後悔しないためには複数の工務店を比較することが重要!
納得のいく家づくりには、住宅に関する知識や工務店の選び方などを把握した上で「複数の工務店を比較すること」が重要です。比較することで、「他者と比べた時の強み」「特徴」「企業としての姿勢」などのさまざまな違いが見えてきます。気になる1社があるという方でも、少なくとも3社~5社の比較をしましょう。
実のある比較をするためには、施主側も住宅に関する「知識」をつける必要があります。知識を持って話しを聞くことで、相手が提案してきている内容が自分にとって良いものなのか、こちらの提案に寄り添った対応をしてくれるのかを見極めることができるでしょう。
工務店選びで押さえるべき5つのポイントを踏まえつつ複数社の比較をし、総合的に判断してベストだと感じる工務店を探しましょう。
まとめ
当記事では、後悔しない工務店選びの5つのポイントについて解説しました。「建築場所から近い」「経営力がある」「実物を確認できる」「トータルサポートがある」「自社施工」といったポイントに当てはまる、複数の工務店を比べることが重要です。複数社を比較することで見えてくる特徴や強みが、自分のニーズとマッチしているかを見極めることで、後悔のない家作りにつながります。
住宅の建築は、何度も経験することのない人生の大きな買い物になります。納得のいく理想のマイホームを完成させるためにも、施工を信頼して任せられる優良な工務店を見つけましょう。