「マイホームは欲しいけれど予算に限りがある」「極端な話、1,000万円で家を建てることはできるの?」
このような悩みや疑問を抱える人に向けて、今回は、1,000万円の予算設定で土地込みの家を建てられるのかどうかを解説します。また、予算を抑えたい場合に欠かせない、土地の購入費用を安くする方法や、妥協するべきポイント、こだわるべきポイントについても紹介します。
限られた家づくりの予算を最大限に活用するために、ぜひ当記事を参考にしてください。
1.土地込みで1,000万円の予算設定で家を建てることは可能?
結論から言うと、土地込み1,000万円の予算設定で家を建てることは可能です。
ただし、1,000万円という金額は、ゆとりを持って家を建てられるような予算設定ではありません。住宅金融支援機構の調査によると、注文住宅の新築工事に必要な費用の平均金額(2020年度)は、下記の通りとなっています。
- ・土地付きの注文住宅新築工事:4,397万円
- ・土地なしの注文住宅新築工事:3,534万円
出典:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
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また、同データを見ると注文住宅の所要資金は、ゆるやかな右肩上がりで上昇している傾向です。そのため、平均的な費用相場から考えたときに、1,000万円程度の費用で家を建てることは、非常に制約のある予算設定であると言えます。
しかし、「土地代込みの1,000万円台で家を建てられた」という実例は、多くはないもののゼロではありません。購入する土地の選び方や家の建て方を工夫したり、信頼できる住宅建築の依頼先を見つけたりすることで、土地込み注文住宅を1,000万円台で建てることができます。
2.購入費用を抑えられる土地の特徴とは?
所有している土地がない場合、家を建てる際には土地の購入費用と建物本体の費用がかかります。つまり、マイホームを建てる費用を抑えるためにはまず、土地の購入費用をいかに抑えられるかが重要です。
ここでは、どのような土地が費用の安い土地なのか、購入コストをできるだけ抑えられる土地の特徴を、具体的に2つ紹介します。
2-1.長方形ではない土地
一般的に、家を建てるのに適しているのは長方形に区画整備された土地です。長方形ではない土地は不整形地と呼ばれており、L字型や三角形などの不整形地は、長方形の土地よりも家を建てにくいため、土地価格も安い傾向にあります。
建物は基本的に四角形の集合体から作られますし、車を持っている場合は駐車場なども四角形です。不整形地に家を建てると有効に使えないデッドスペースが生じるため、土地の値段が安くなります。
ただし不整形地でも、使い方を工夫すれば宅地として活用することは十分可能です。例えばデッドスペースは庭として整備すると庭付き一戸建てになります。デッドスペースが発生することで建築面積が狭くなるのであれば、建物を3階建てにすることで延床面積を確保でき、広々とした住宅を建てることができるでしょう。土地ならではの個性的な家を建てられることは、不整形地に家を建てることのメリットでもあると言えます。
2-2.競売物件の土地
競売物件の土地は、相場より6~8割程度安く購入できます。競売物件とは、所有者の事情により住宅ローンなどの債務の支払いが難しくなり、売却された不動産です。競売物件は、オークションのような入札方式を用いて購入者を募ります。
入札前には入札保証金が必要で、競売物件の最低落札価格の2割を用意しなくてはなりません。保証金は、もし物件を落札できなかった場合返金されますが、最初にまとまった現金が必要なことを覚えておきましょう。
競売物件はどのような人でも購入できるため、土地の購入費用を安くしたい場合におすすめです。ただし、競売物件の土地を購入する際には、リスクもあります。
例えば、競売物件の引き渡しは自己責任とされています。競売手続きでは、裁判所の権限によって所有権移転登記までは行われますが、物件の引き渡しはされません。物件の元の所有者が住んでいたり、占有者がいたりする場合は、競り落とした人が自己責任で交渉するか、法的な手段に出て退去してもらうように行動する必要があります。
また、優良な土地ほど競売に参加するライバルは多くなります。特に不動産業者は競売で物件を入手するためのノウハウを蓄えており、競売に使える資金も個人より多いため、手強いライバルと言えます。個人が優良物件を安価で落札するには、それなりの準備が必要です。
土地の購入費用を抑える上で、競売物件の購入はとても有効な方法ですが、注意すべきポイントはしっかりと押さえておきましょう。
3.1,000万円台で家を建てる場合に妥協するべきポイント
建物本体の建築費用も、できるだけ抑えられるよう工夫しましょう。自分で家を建てる際、間取りや設備を自由に選べることは最大のメリットですが、こだわりすぎると費用が一気に高くなってしまいます。ある程度打ち合わせが進んでからでも変更できることについては、妥協するべきでしょう。
後からでも変更できて、建築費用を抑えられるポイントを以下に紹介します。
●エクステリア
費用を抑えたい場合、エクステリア(外壁や外構)のデザインは妥協するべきです。
外構は装飾や石畳をあつらえると100万円を超えることがあり、外壁も塗装の仕方によって費用がかなり変動します。エクステリアのリフォームは、住み始めた後でも問題なく行うことができます。
●床
床の材質の妥協も、費用を抑えるために大切なポイントです。複合フローリングを選べば、材料費を安く抑えることができます。
●窓
家の中を明るくするために、窓を増やしたいと考える人は多いです。しかし、窓を追加するとサッシ代やガラス代が増えるため、建築費用がかさんでしまいます。
本来、必要な窓の面積は部屋の床面積によって算出されます。そのため、必要最低限の窓を確保した上で余分な窓を減らせば、建築コストを抑えることが可能です。
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●造作収納や造作家具
シューズボックスやテレビボードなどの造作収納・造作家具は、色や大きさを好みに合わせられるためこだわりたい部分です。あらかじめ優先順位をつけておき、予算からはみ出る部分は妥協するなど、うまく折り合いをつけましょう。
●壁紙
壁紙は、生活してからでも張り替えることができます。壁紙の種類によっては価格に大きな違いが出るため、予算に限りがある場合はある程度妥協しましょう。
4.1,000万円台で家を建てる場合でも妥協できないポイント
1,000万円台で家を建てるために各種費用を抑えたい場合でも、後からの変更が難しいことや、安全性・快適性に関することは妥協するべきではありません。妥協できないポイントは以下の通りです。
●間取り
「費用を抑えたいからワンルームにする」というような間取りの妥協は、絶対にするべきではありません。
間取りは、工事直前の具体的な予算が出されるタイミングでは、変更が非常に困難です。後から変更することは不可能ではありませんが、当初の倍以上の費用や手間を覚悟する必要があります。後悔しないように、妥協せずに決めましょう。
屋根や基礎部分を複雑な形にしていると建築費用がかさんでしまいます。平面図がシンプルな四角形になるよう意識するなどして、無理のない範囲でコストを下げる工夫をしましょう。
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●水回りの配置
キッチンや浴室などの水回りの配置は、後からの変更がしにくいポイントです。
水回り設備を移動する場合には、配管設備や給排水の設計を大きく変更しなければなりません。そのため、水回りを何階のどこに置くかについては、できるだけ早い段階で、慎重に考える必要があります。
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●設備
浴室やトイレ、キッチンコンロなど、安全で快適な生活を送る上で重要な設備については、しっかりとこだわりましょう。もし予算のために妥協し、納得できないものを選んでしまった場合、住み始めてしてから後悔してしまうかもしれません。
住宅設備は、日々の暮らしを便利で豊かなものにします。最新式で高性能のものを設置する必要はありませんが、ある程度の性能を持った設備を取りつけましょう。
まとめ
1,000万円の予算で家を建てることはできますが、土地の選び方や家の建て方には工夫が必要です。また、できるだけ抑えた費用で家を建てるためには、妥協すべきポイントと妥協できないポイントのメリハリをつけなければなりません。
限られた予算で理想のマイホームを建てたいと考える際には、お客様の要望にじっくりと耳を傾けてくれる、住宅メーカーや地域の工務店に相談することをおすすめします。他にも工務店比較.netでは、工務店選びのポイントや、家づくりに役立つコラムを掲載していますので、ぜひ併せて参考にしてください。