土地の選定は、住まいづくりにあたって多くの人が悩むポイントです。家族全員が長く快適に住み続けるためにも、土地の形状や面積、建ぺい率はもちろん、縁起・地相についてもチェックした上で選びたいという方は意外と多くいるのではないでしょうか。
地相や風水は科学的根拠のない事柄ですが、実際にそれらによって人生が変わったという話も多く、目に見えない力があるといわれています。「縁起のいい土地」であることは、住み心地や気持ち的にも大きく関わるでしょう。
そこで今回は、縁起が悪いといわれる土地の特徴11個と、どこまで気にすればよいのかについて詳しく紹介します。家族全員が安心・安全に生活できる家づくりをしたい方は、ぜひご覧ください。
1.縁起が悪いといわれる土地の特徴
土地の縁起の善し悪しに大きく関係するポイントが、風水における家相・地相です。
家相とは、家の方角・方位や配置、さらに間取りによって「吉相」「凶相」などのように、運勢(吉凶)を判断する考え方であり、地相は物件を建てる土地の形状や周辺環境などによって運勢を判断する考え方となっています。
風水では「家相より地相」といわれており、地相によっては住宅そのものが吉相・凶相となる可能性があるといっても過言ではありません。いつまでも家族全員で快適に過ごせるマイホームを建てるためには、風水的に縁起がよいとされている土地を選ぶとよいでしょう。
ここからは、風水的に縁起が悪いとされる土地の特徴を11個紹介します。縁起がよいとされる土地をしっかり選ぶための参考にしてください。
1-1.変形地になっている
「風水的に縁起が悪いとされる土地は避けたい」という場合は、変形地を避けておきましょう。変形地とは、正方形や長方形に整地された土地とは違って、三角形や台形、五角形、旗竿地、傾斜地など、いびつな地形をした土地のことです。
変形地の中でも、特に三角形の土地は風水的に大凶相といわれていることも特徴です。三角形は「鋭利」「角が立つ」というイメージがあるほか、「刀」「槍」といったものが連想されることが理由といえるでしょう。
また、風水において理想的な土地の形状は、長方形だといわれています。やむを得ず三角形の土地に住宅を建てる場合は、面積を狭めて四角い家にすることがおすすめです。
1-2.周辺よりも低い位置にある
土地の高低は、土地の縁起の善し悪しや地相が決まる大切な要素の1つでもあります。ここでいう周辺とは、土地に面する道路や隣の土地、さらにその土地から見渡せる敷地全体などが挙げられます。
周辺よりも低い位置にある土地は、縁起が悪いとされています。風水的に凹凸の凹は「欠け」と呼ばれ、凶のパワーをもっているといわれることも特徴です。特に、水たまりができやすいような低い土地は「滞る」「不浄」「不吉」というイメージもあるだけでなく、湿気や水害といったリスクも生じるため、避けておきたい土地といえるでしょう。
1-3.目の前に神社・お寺がある
正面に神社・お寺がある土地は、風水的に縁起が悪いといわれています。お寺は葬儀を行うことから悪い気が溜まり、その影響を受けやすいとされるためです。
しかし、神社においては「目の前にある土地は避けるべき」とは一概にいえません。その土地から見て、神社のある方角がどこなのかによっても地相が異なるためです。
一般的に縁起が悪いとされる神社の方角は、土地の正面、または東や西です。風水においては、太陽がのぼる東側や西側は開けておくべきとされている一方で、神社はエネルギーの多い場所であることから高いものとして捉えられています。その土地から見て東側や南側の方向に神社があると太陽などのエネルギーを取り入れにくくなるとされているため、「先の見通しが立たない」として凶相となっています。
また、反対に西や北に神社のある土地は、「金運が上がる」といった吉の効果があるとされていることも覚えておきましょう。
1-4.突き当たりになっている
風水的に縁起が悪い土地を避けたいなら、突き当たりにある土地は避けましょう。
「どんつき」ともいわれるT字路の突き当たりにある土地は「路殺」とも呼ばれ、前面道路からの強い殺気や悪いエネルギーがぶつかりやすいとされています。
また、袋小路の末端や道路の行き止まりにある土地は、入口以外に出口がないという形状から、風水において「何らかのトラブル・問題に直面した際、解決策がない」と連想されています。
突き当たりにある土地は、風水面に限らず、自動車などの交通事故に巻き込まれるリスクがやや高まるなどのデメリットもあります。特に小さな子どもがいる場合は、安全のためにも突き当たりの土地は避けておいたほうがよいでしょう。
1-5.傾斜・崖に面している
傾斜地・崖地に面しており、かつそれらの下側にある土地は、風水的に縁起が悪いとされています。気は高い場所から低い場所に流れやすいといわれているためです。
風水的にも縁起がよいとされる土地には、高台にある土地が挙げられます。いい気やエネルギーは高いところに集まるとされており、実際に日本にある高級住宅地もほとんどが高台にあります。しかし、風水的に吉とされる高台の土地であっても、後方に崖や下り坂がある場合は縁起が悪いとみなされる点も覚えておきましょう。
1-6.3方以上が道路に囲まれている
ここまでで何度も説明したように、風水においては気やエネルギーの流れが重要となっています。気やエネルギーは道路を伝って入ってくるとされていることから、土地と土地に面する道路の関係も非常に重要です。
3方以上が道路に囲まれているなど接道部分が多い土地は、不動産的価値は高いものの、風水的には縁起が悪いといわれています。理由として、気が入ってきてもすぐに逃げてしまう・そもそも気が入ってこないことが考えられるでしょう。
1-7.事件や事故があった
事件や事故の履歴がある土地は、「因縁が残る土地」「陰の気が充満している土地」として、地相においては大凶相とされています。
特に殺人事件・自殺などの悲惨な事件や事故が起きた土地は、どれほど吉相とされる住宅を建てても事業の倒産や一家の離散、交通事故や病気などのあらゆる不幸に見舞われるともいわれています。
事件や事故の履歴においては自分たちでも調べることができるため、土地選びの際には入念にチェックしておくことがおすすめです。
1-8.川・用水路が近い
川・用水路が近くにある土地も、一部パターンにおいて縁起が悪いとされています。
川・用水路が近くにある土地の中でも、縁起が悪いとされる1つ目のパターンは、「北または南から川・用水路が見える」というものです。地相の風水的に北は山、南は平地の土地が吉相とされていることが大きく関係するでしょう。
そして2つ目のパターンが、「方角に関係なく、汚い川・用水路が近くにある」というものです。川・用水路で流れる水が汚い場合、負の気が入ってしまうといわれているためです。
また、「曲がっている川・用水路の外側にある土地」も、直進する気の流れをダイレクトに受けてしまうことから風水的に好ましくないといわれています。
1-9.旗竿地になっている
変形地の1つでもある旗竿地は、風水的に縁起が悪い土地とされています。旗竿地とは、道路に接する出入口部分が細長くなっており、その奥に住宅の建築が可能な「有効宅地部分」があるという形状をした土地のことです。
周辺環境によっても異なるものの、基本的に旗竿地は日当たり・風通しが悪く、風水的には「悪い気が溜まりやすい」「行き詰まる」「成長がなくなる」と捉えられています。
1-10.周辺に遮るものがない
土地の周囲に樹木や建物など、住宅を遮るものが一切なく、風にさらされるような土地は風水的に縁起が悪いとされています。郊外や田舎においては、決して珍しくない土地といえるでしょう。
周りに遮るものがない土地は、せっかくいい気が入ってきても、すぐに風とともに去ってしまうことから「風殺」ともいわれています。「財産を守れない」「人の助けを得られない」といったイメージが連想されるため、地相においては凶相となっています。
1-11.墓地・斎場が近い
風水において、生きている人が住む住宅は「陽宅」、そして故人が眠るお墓は「陰宅」と呼ばれています。したがって、近くに墓地・斎場があるような土地は陰の気が強く、「陽の気を奪う」「やる気を衰退させる」「発展や成長がなくなる」とされています。
ただし、墓地・斎場が近い土地が一概に凶相であるとはいえません。墓地の正面に玄関をつくらない場合や、土地と墓地の間に道路・空き地を挟む場合、陰の気による影響はさほど受けないともされています。
2.縁起が悪い土地|どこまで気にすればよい?
前述の通り、その土地における事件・事故の履歴など、因縁に関する情報については気になる範囲で調べてもよいでしょう。
しかし、どのような場所であっても、土地には何らかのいわくが存在している可能性が高いといえます。土地情報や地相を調べているうちに、さらに過去の因縁を知った場合、それまでよいと思っていた土地も見送ることとなります。このように、地相や因縁が気になり過ぎるといつまで経っても納得のいく土地は決まらないといっても過言ではありません。
そのため、基本的に土地の縁起の善し悪しはさほど深くまで調べる必要はないといえるでしょう。それでも調べたい場合は、土地の専門家に依頼して地歴調査を行ったり、古地図を確認したり、実際に地域の年配住民に聞き込み調査を行ったりすることがおすすめです。
まとめ
風水における家相・地相は、土地の縁起の善し悪しが決まる重要な要素です。風水では家相よりも地相が重要とされているため、いつまでも心地よく暮らしたい方は土地選びを重要視するとよいでしょう。
風水的に縁起が悪いとされる土地の特徴には、変形地になっている・周辺よりも低い位置にある・突き当たりにある・神社や墓地、川が近いなど複数が挙げられます。
とはいえ、縁起が悪いとされる条件をすべて満たさない土地はほとんどないといっても過言ではありません。そのため、地相だけに着目せず、建てたい住宅と求める土地の面積・形状なども考えながら、納得のいく土地を選ぶことをおすすめします。