一軒家にWi-Fiルーターを置く際は、基本的に「Wi-Fi機器の使用頻度が高い部屋」を選ぶとよいでしょう。おすすめの置き場所や置き方には、電波を家全体に飛ばすのに適した2階の廊下近辺や、スペースを有効活用できる壁掛けなどがあります。一軒家の建築・リフォームを検討している人の中には、事前にWi-Fiルーターの置き場所を決めておきたい人もいるのではないでしょうか。
当記事では、一軒家におけるWi-Fiルーターのおすすめの置き場所や避けたほうがいい置き場所、新築・リフォーム時に考えたい設置のコツを紹介します。Wi-Fiルーターの置き場所に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
1.一軒家のWi-Fiルーター|おすすめの置き場所5選
Wi-Fiルーターは、スマホやパソコンなどWi-Fi機器を使う頻度が高い部屋に設置するのがおすすめです。また、アンテナの種類によって電波の飛び方が異なるため、置き場所を決める際はアンテナタイプも考慮する必要があります。
Wi-Fiルーターのアンテナには、下記のようなタイプがあります。
・内蔵タイプ
一般的なアンテナのタイプで、本体にアンテナが内蔵されているルーターです。電波が球状に飛ぶため、家の中心に設置するとよいでしょう。
・外付けタイプ
アンテナが外に出ているタイプのルーターです。アンテナに直交する方向に電波が飛ぶため、設置場所に合わせて電波の方向を調整できます。
ここでは、一軒家におけるWi-Fiルーターのおすすめの置き場所を紹介します。
1-1.リビング
Wi-Fiルーターから近いほど電波強度が上がるため、Wi-Fi使用頻度の高いリビングは理想的な設置場所と言えます。Wi-Fiルーターの電波は断熱材や金属などの遮蔽物により弱まりやすいため、リビングの中でも見通しの良い部屋の中央に置くのがおすすめです。
また、木製の机や棚の上に置くと、電波を遮るものが少なく均一に電波が飛びやすくなります。周囲に大きな家具がなく、床から70〜200cm程度の高さがある場所がよいでしょう。特に、球状に電波が飛ぶ内蔵タイプは、下半分の電波を妨げないよう床から離して設置してください。
1-2.2階
戸建て住宅は2階の廊下近辺が家の中央部分となることが多く、電波を家全体に飛ばすのに適しています。ただし、1階に対しては床と天井を挟むため、電波が届きにくい可能性があります。廊下に電波の障害物となるものを置かないようにしましょう。
2階も含め、どの部屋でもWi-Fi接続を安定させたい場合は、電波の範囲を広げられる中継機やメッシュWi-Fiを使う方法もあります。複数の機器を経由して電波を増幅させれば、一軒家の隅々まで電波を届けられます。
1-3.クローゼット
クローゼットの中にWi-Fiルーターを置くと、クローゼットの構造によっては配線を隠せます。収納棚の上段に置けば、Wi-Fiルーターが目につきにくく、インテリアの邪魔になりません。床から離れた理想的な位置にWi-Fiルーターを置ける上に、ホコリをかぶりにくくなります。
ただし、環境によっては機器の熱がこもりやすく、火災の原因となる恐れがあります。また、扉や壁で電波が悪くなる可能性もあるため注意が必要です。
1-4.パントリー
食料品を保管するパントリーは、Wi-Fiルーターの置き場所としても活用できます。パントリーはダイニングやキッチン周辺に設置されていることが多く、リビングにも近いため、設置場所として向いています。また、ドアがないタイプだと電波を遮る心配もありません。
ウォークインパントリーであれば、人目につきにくく、Wi-Fiルーターを隠して置きたい人にもおすすめです。クローゼットと同様に床から離れた位置に置けるため、2階にも電波が広がりやすいでしょう。
1-5.壁掛け
Wi-Fiルーターの適切な置き場所が見つからない場合、壁掛けにするのも1つの方法です。壁掛けは、床から離して設置できるほか、周りに電波を遮る家具のない広いスペースに置けるのがメリットです。
Wi-Fiルーターによっては壁掛けできるフックや穴が本体に付いています。石膏ボードに取り付け可能なフックを壁に付け、Wi-Fiルーターを掛けられるでしょう。壁式ではない本体であっても、専用収納ケースやウォールシェルフを利用すれば壁に設置できます。
2.一軒家のWi-Fiルーターで避けたほうがいい置き場所
Wi-Fiルーターの電波状態は周囲の環境に左右される場合があります。家の中は電波に影響を与える要素であふれているため、どのような環境がWi-Fiルーターに悪影響を与えるのか把握していることが大切です。Wi-Fiルーターを設置する際は、電波の性質を考えた上で適切な置き場所を考えましょう。
ここでは、一軒家の中でWi-Fiの電波に影響を与えやすい環境を説明します。
2-1.水回り
電波は水を通りにくい性質がある上、水に弱い電子機器にとって水回りは適切な環境とは言えません。Wi-Fiルーターを水回りに設置すれば、電波が水を通過する際に拡散・吸収されて弱まり、十分なネット通信速度が出なくなる可能性があります。また、水濡れによるWi-Fiルーターの故障や漏電のリスクもあります。
Wi-Fiルーターは、水から離れた環境に設置しましょう。見落としがちなのが水槽や花瓶、加湿器などです。洗面所やシンクなど水回り設備だけでなく、水を使ったインテリアの位置にも注意が必要です。
2-2.家電製品の近く
家電製品によっては、Wi-Fiルーターの近くにあると電波干渉が起こり、インターネット接続に影響を与えることがあります。電波障害が生じる可能性のある主な家電製品は、下記の通りです。
- 電子レンジ
- テレビ
- スマートスピーカーなどBluetooth機器
- コードレス電話機
特に、電波への影響を与えやすいのは電子レンジです。Wi-Fiと電子レンジは同じ2.4Ghz帯の周波数帯で、同時に使用すると電子レンジの電磁波がWi-Fiの通信を妨げる可能性があります。電子レンジの使用による通信エラーは頻発しやすいため、Wi-Fiルーターはなるべく電子レンジから距離を離して設置するとよいでしょう。
2-3.キッチン周辺
キッチン内は電波に影響を与えるものが多い環境です。電波は紙、木材、ガラスなどは通り抜け、金属は反射する性質を持っています。ステンレス素材が使われているキッチンの中は金属反射が起こりやすく、Wi-Fiルーターの置き場所には適しません。
パントリーに置く場合は、金属ラックやステンレス台、金属製の食器類の近くは避けましょう。また、キッチン内は家電製品もあるため、電波干渉による通信障害にも注意が必要です。
3.一軒家の新築・リフォーム時に考えたい!Wi-Fiルーター設置のコツ
一軒家の新築やリフォームを行う際は、事前にWi-Fiルーターの置き場所を決めておくことをおすすめします。設置場所に合わせて、光回線用コンセントの設置や配線の収納方法を計画すれば、快適な通信とすっきりとした収納が実現するでしょう。
ここでは、新築・リフォームでWi-Fiルーターの置き場所を決める際のポイントを紹介します。
3-1.コンセントの位置
一軒家の新築・リフォームを検討中なら、Wi-Fiルーターの設置場所を事前に工務店に相談します。その際、コンセントの設置場所も忘れずに伝えましょう。Wi-Fiルーターを置く場所の近くにコンセントや光回線用の光コンセントがないと、延長コードを延ばす必要があります。
Wi-Fiルーターの設置を見越してコンセントの位置を決めるほか、クローゼットなど収納の中に設置したい場合も、工事前の相談が大切です。
3-2.情報ボックスの設置
情報ボックスとは、テレビ線や無線LANケーブルなどのインターネット回線を1つにまとめるボックスのことです。情報ボックスを設置すると通信関連の機器を整頓できるほか、モデムやルーターなどをボックス内に集約し、壁内の配線で各部屋の情報コンセントと繋げられます。配線やWi-Fi通信機器を隠せるため、新築の外観を損ねないというメリットがあります。
ボックス内にWi-Fiルーターを収納するなら、電波の広がりを考えた設置の計画が必要です。電波を遮断する物の近くは避け、家の中心に情報ボックスを設置することをおすすめします。
まとめ
Wi-Fiルーターを一軒家に置くときは、基本的にWi-Fi機器を使う頻度が高いリビングなどへ設置しましょう。ほかにも、家全体に電波を飛ばしやすい2階の廊下近辺、リビングに近いパントリー、壁に設置する方法があります。
電波は水を通り抜けにくく金属には反射する性質を持っているため、Wi-Fiルーターを水回りとキッチン周辺に設置するのは避けましょう。また、家電製品の近くもインターネット接続に影響を与える電波障害が起こる可能性があるため、設置場所には適していません。