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書斎に窓は必要?窓のメリットや快適な書斎づくりのポイントを紹介

書斎に窓は必要?窓のメリットや快適な書斎づくりのポイントを紹介

在宅勤務の仕事部屋や趣味を楽しむ部屋として書斎を作りたいと考える方の多くが、書斎の窓をどうするかに悩むのではないでしょうか。窓があることにより開放感が得られるだけでなく、明るさや通気性も得られます。一方で、家具の配置や窓の外の環境などに悩まされるケースもあるため、失敗したくないと思う方もいるでしょう。

この記事では、書斎の窓事情について失敗例を交えながら解説します。快適な書斎作りを目指す方はぜひお役立てください。

1. 書斎に窓は必要?

在宅勤務の仕事部屋として、あるいは1人の時間をゆったりと楽しむために、新築注文住宅を建てるなら書斎を設けたいと考える人は少なくありません。書斎のデザインで多い悩みが「窓をどうするか」です。

書斎に窓を作ることで、下記のようなメリットが生まれます。

【書斎に窓を作るメリット】

  • 視界が開けるため、狭い空間でも開放感を得られる
  • 日中は太陽の光で明るさが確保できるため、省エネにつながる
  • 開閉できる窓にすれば換気しやすいため、ニオイや湿気がこもらない
  • 作業の休憩時間に窓の外を眺めて気分転換ができる

しかし、書斎の窓は必ずしも必要というわけではありません。窓のない書斎には、窓がないなりのメリットがあるためです。

1-1. 窓がない書斎にもメリットがある

あえて書斎に窓を作らないことで、下記のようなメリットが生まれます。

【書斎に窓を作らないメリット】

  • 外気からの影響が少ないため、エアコン代を節約しやすい
  • 家具や本の日焼けを防止できる
  • レイアウトの自由度が上がる
  • 視界が制限されるため集中しやすい

窓がないことで閉塞感を感じたり、空気がこもったりといったデメリットも生じますが、設計を工夫すれば解決可能です。例えば書斎に開放感を求める場合、個室にこだわらず半個室やオープンスペースといった間取りも選択肢に入れるとよいでしょう。

関連記事:寝室は窓に要注意!失敗しない間取りの注意点を解説

2. 窓がある書斎づくりの失敗例3つ

窓のある書斎を選んだ場合、どの場所にどのような窓を付けるかといった問題は、建ててから後悔しても修正が困難です。満足のいく書斎をつくるためには、あらかじめどのような失敗例があるかを知っておくとよいでしょう。

ここでは、窓がある書斎づくりでよくある失敗例を3つ紹介します。

2-1. 家具の配置がしにくく収納が少なくなる

書斎に窓を取り付けるのであれば、基本的に窓をふさがないように家具を配置しなければなりません。そのため、限られたスペースしかない書斎では、リビングや寝室と同じ感覚で窓を取り付けてしまうと、家具の配置に困ることがあります。

例えば、採光性を優先して壁の全面に窓を設けるケースです。掃き出し窓のように大きな窓を選ぶと、そこには本棚などの大きな家具を置きにくくなります。また、窓のある部分には配線できないため、コンセントの配置も限られる点に注意が必要です。

書斎づくりでは、まず必要な家具の配置を決めた上で窓の大きさや位置を選びましょう。

2-2. エアコンなしだと夏は暑く冬は寒くなりすぎる

書斎をつくる位置にもよりますが、「狭い空間だからもったいない」とエアコンを付けずに済ませると、季節が巡ってから後悔する可能性があります。

例えば夏、「気温が高い日は他の部屋で付けたエアコンの冷風を送り込めばよい」と考える人もいるでしょう。しかしそれでは書斎のドアが開けっ放しになり、せっかくの独立性が損なわれます。西日の差し込む部屋では、空気の交換が追い付かず気温が上がりすぎることも。

他にも、書斎でパソコンなどを利用する場合は、電子機器からの排熱対策も必須です。また、冬は窓があることで、より部屋が冷えやすくなります。また、冬は小型のヒーターでしのげる一方で、夏の暑さには耐えられないという声も少なくありません。

2-3. 外の様子や音が気になって集中できない

大きな窓がある書斎は、眺めのよさや採光性の高さが魅力です。部屋が明るく広く感じられる上、おしゃれな印象となります。しかし、窓のすぐ外に道が通っている・公園がある・隣家の庭がある場合などは、人の動きや騒音が気になって集中力を保ちにくいケースが珍しくありません。

また、デスクの正面に窓を付ける際は注意が必要です。方角によっては日当たりがまぶしく感じたり、逆光になることでパソコンのモニターが非常に見づらくなったりするケースもあります。

3. 窓がある書斎作りのポイント3つ

書斎作りに失敗しないためには、実例などを確認しながら家を設計するとよいでしょう。窓のメリットを最大限に生かしつつ、作業しやすい環境を実現する書斎の多くに共通する特徴は、下記の3つです。

  • 利き手の反対側を窓にする
  • 日当たりや窓の外の空間を考慮する
  • 室内窓という選択肢も

ここでは、窓がある書斎づくりのポイントを紹介します。

3-1. 利き手の反対側を窓にする

書斎で何かしらものを書く予定がある場合は、利き手側に窓を設けないことがおすすめです。

利き手側に窓があると、日の光が自分の手に当たってできた影で文字や絵が隠れて見づらくなります。一方、窓が聞き手の反対側にあれば、差し込んだ光で手元が照らされて作業しやすくなるでしょう。

夜間に書斎で作業をするのであれば、照明も利き手の反対側から照らすように配置すると快適です。

3-2. 日当たりや窓の外の空間を考慮する

書斎という部屋の性質上、あまり日当たりがよすぎるのも問題です。まぶしさからくる目の疲れや、紫外線による本・家具の日焼けといったデメリットが生じます。

窓が道や公園、隣家に面してる場合、集中を妨げられたり視線が気になったりする人もいるでしょう。せっかく窓を取り付けたのに、一日中カーテンやブラインドで隠していたのでは意味がありません。

また、窓の近くに隣家の壁や塀がある場合は、かえって圧迫感を感じることもあります。書斎に窓を付ける際は、部屋の日当たりや窓の外の空間を考慮し、窓の方角・高さ・大きさ・素材などをじっくりと吟味しましょう。

3-3. 室内窓という選択肢も

適切な位置に窓を付けられない場合、屋外との間ではなく他の部屋とつなぐ「室内窓」を取り付ける方法もあります。

室内窓の場合、日の光や外気を直接取り入れることはできませんが、他の部屋を通じて恩恵を受けることは可能です。また、屋内の空気循環が促されるため、エアコンの冷暖気を効率よく行き渡らせることもできます。

外壁に沿って窓を作る場合より建築の自由度も高いため、検討してみてはいかがでしょうか。

4. 窓以外にも!快適な書斎づくりのコツ

快適にすごせる書斎をつくるコツは、窓の位置や大きさだけではありません。ここでは、快適な書斎づくりのコツを3つ紹介します。

必要なスペースを見極める

書斎というと、重厚な広いデスクに壁いっぱいの本棚をイメージする人も多いでしょう。しかし実際に普段の仕事で使ってみると、思っていたよりも小さなスペースしか必要としない人は珍しくありません。

一方で省スペースを意識して設計したところ、圧迫感が嫌で使わなくなるケースもあります。使いやすい書斎のタイプは人によって異なるため、写真やイメージ画像だけで判断せず、本当に必要な広さを見極めることが大切です。

必要な部屋とのアクセスを考える

書斎を誰がどのような目的で使うかによっても、家の中で最適な配置が異なります。例えば、ワークスペースとして仕事中は家事や娯楽から距離を置きたい場合は、キッチンやリビングなどから離れた位置にあったほうがよいでしょう。

反対に「小さな子どもがいる」「介護中の家族がいる」など、書斎を利用する際も小まめなコミュニケーションを必要とする場合、家の中央に配置したほうが便利です。

十分な収納を設ける

書斎に十分な収納がなければ、デスクの上にものが溢れたり別の部屋に取りに行かなければならなくなったりと、使い勝手が悪くなります。デスク周りをスッキリと片付けつつ、必要なものがすぐに手に取れるよう、書斎には十分な収納を設置しましょう。

パソコンなどを使用する場合は、コードが邪魔になったり電源足りなくなったりしないよう、配線も考慮したレイアウトをおすすめします。

まとめ

書斎の窓にはメリットがある一方で、設置する場所や仕様によっては窓をつけたことを後悔するケースもあります。家具の配置や空調、窓の外の環境などを考慮しながら、窓の必要性や窓をつける位置を検討することが大切です。書斎に窓をつける際は、利き手の反対側に窓を配置するなどのポイントも押さえておきましょう。

さらに、書斎作りの際は、窓以外にも必要なスペースや他の部屋とのアクセス、収納などを考え、「結局使わなかった」とならないように工夫することも重要です。