道路に接する道が細い旗竿地(はたざおち)に家を建てる場合、アプローチのデザインが鍵になります。旗竿地でも、アプローチのデザインでの差別化はもちろん、ポストや照明などの配置も十分に検討した上で設置すると、おしゃれな印象の家になります。
当記事では、旗竿地でもおしゃれな家にしたいという方に向けて、アプローチのデザインに関するポイントを紹介します。さらに、旗竿地に家を建てるときの注意点や外構費用を抑える方法も解説するため、マイホームの購入時にぜひお役立てください。
1.旗竿地におしゃれな家を建てるにはアプローチのデザインが重要
旗竿地におしゃれな家を建てたい場合は、旗竿地特有の竿部分(アプローチ)のデザインを工夫することが大切です。整形地にはない竿部分のデザインを工夫することで、旗竿地ならではの魅力的な家に仕上がります。
旗竿地におけるアプローチのデザインで気を付けるべきポイントには、下記の3つがあります。
- 表札、ポスト、インターホンの位置
- デザインの差別化
- アプローチの日当たり
以下では、具体的にどのような点に気を付けるべきかを詳しく解説します。
1-1.表札・ポスト・インターホンの設置場所を工夫する
旗竿地では、表札・ポスト・インターホンを玄関付近に設置するか、道路に面した場所にするかでデザインが大きく変わります。玄関付近と道路側に設置した場合のメリットとデメリットは、次の通りです。
【玄関付近に設置した場合】
メリット | デメリット |
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【道路側に設置した場合】
メリット | デメリット |
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表札・インターホン・ポストは道路側に面していることが一般的ですが、旗竿地の広さや長さ、実際の生活動線をシミュレーションして、利便性が良いと感じる場所に設置しましょう。
1-2.アプローチのデザインを差別化する
アプローチのデザインには趣向を凝らし、差別化を図りましょう。
スペースが限られている旗竿地は、デザインも制約されます。そこで、アプローチのデザインを差別化することで、家全体が洗練された印象になります。
アプローチをデザインする際は、階段などの素材にこだわることがポイントです。具体的には次のような素材があります。
- レンガ
- 石
- タイル
- 砂利
- スタンプコンクリート
住居のイメージとマッチした素材を選ぶと、建物と外構部分に一体感が出ます。アクセントとして異素材を組み合わせると、さらにデザイン性が高まり周囲との差別化ができるでしょう。
1-3.日当たりを強く意識する
アプローチをデザインするときは、日当たりも意識しましょう。アプローチの日当たり対策は、見た目や機能面、安全面において重要なポイントです。
旗竿地は周囲を住宅に囲まれているため、日当たりが悪くなりやすいです。日当たりが悪いとカビやコケが生えやすくなり、掃除に手間がかかるだけでなく見た目の印象も悪くなります。
また、コケが生えると滑りやすく、特に高齢者や小さな子供がいる家庭では怪我のリスクが高まります。雪が多く降る地域の場合は、雪解けに時間がかかるでしょう。
日当たりを良くするには、カーポート屋根をクリア系にしたり、門柱や門扉を採光性の高いものにしたりする方法があります。
2.旗竿地に家を建てる際の注意点3つ
細長いアプローチに加え、奥まった土地に住居を構えることになる旗竿地では、家づくりの際に注意すべきポイントがあります。注意点を押さえて、生活しやすく満足度の高い住まいを目指しましょう。
今回は、旗竿地に家を建てる際の注意点を3つ紹介します。
2-1.防犯対策を行う
旗竿地は建物が道路から離れており、人目に付きにくいのが特徴です。そのため、空き巣の標的にされやすいことも念頭に置いて防犯対策を考える必要があります。
目隠しフェンスは必要性を十分検討してから、設置の有無を決めるのが賢明です。周囲からの視線を遮るために目隠しフェンスを設置した場合、住居からの見通しも悪くなり防犯上好ましくない環境になります。目隠しフェンスの設置においては、プライバシーの確保だけでなく防犯性もしっかり確認しましょう。
また、駐車場の防犯対策も必須です。旗竿地では住居から駐車場が確認しにくい場合が多く、盗難や車上荒らしの被害に遭う危険性があります。駐車場に防犯カメラを設置する、駐車場の位置を工夫するなどして対策を講じることが大切です。
2-2.アプローチには照明を設置する
旗竿地は玄関アプローチが長くなるため、照明の設置が必要です。照明を取り付けることで夜間でも安心して通行できる上に、防犯対策にもなります。アプローチをライトアップすると、幻想的な印象になるでしょう。
照明は、人が近づくと点灯する人感センサー付きタイプや暗くなると自動点灯するタイプがおすすめです。
照明のデザインを家のテイストに合わせたり、外壁や植栽にライトを当てたりすると、印象的な外構になります。
2-3.駐車場は計画的に設置する
旗竿地では、竿部分の土地に駐車場を設置することがほとんどです。変形地に駐車場を作る場合は、次のような点に注意してプランを立てましょう。
- 間口の幅
- 駐車スペース
- カーポートの設置
スムーズに車を乗り降りしたい場合、駐車場の間口は3メートル以上がおすすめです。駐車場の間口が3メートル未満だと、車のドアを全開にすることが難しくなるほか、車種も限られます。小さな子供や高齢者がいる家庭では、乗り降りに苦労することもあるでしょう。家族構成や車の横幅も考慮すると、失敗なく駐車場づくりができます。
車に加えて自転車も駐車する場合は、さらに間口の幅に余裕をもたせる必要があります。現在自転車を持っていなくても、将来的に自転車を購入する可能性がある場合は駐輪場スペースについても検討しましょう。
また、カーポートを設置する際は隣人への配慮も必要です。カーポートの設置によって隣人宅の日当たりが悪くなる可能性があります。カーポートの施工をする前に、あらかじめ隣人に相談して未然にトラブルを防ぎましょう。
3.旗竿地の外構費用を抑えるポイント
旗竿地の外構にかかる費用を少しでも安くするためには、相見積もりを依頼することがポイントです。旗竿地は整形地と比べて外構費用が割高になるため、予想以上に費用がかさみます。
旗竿地の外構費用を抑えるには、まず複数の業者に見積もりを依頼して相場を把握しましょう。中には、相場より高い金額を提示する業者もいます。
ただし、候補の業者が多いと見積もりに多大な時間と労力がかります。業者は3社に絞ってから見積もりを依頼するのが理想的です。3社に同じ条件で見積もりを作成してもらい、満足のいく外構プランを模索しましょう。
まとめ
旗竿地におしゃれな家を建てるには、竿部分のデザインが重要です。アプローチのデザインにこだわることで、洗練された家を演出できます。具体的には階段などの素材やポストなどの小物の配置を工夫し、差別化することで魅力的な家になるでしょう。
旗竿地に家を建てるときは、アプローチのデザインを工夫するだけでなく防犯対策も考慮しましょう。駐車場を設置する場合は、駐車スペースや間口の幅、カーポートの位置に注意が必要です。駐車場の間口は、最低でも3メートル確保しましょう。
旗竿地の外構費用を抑えたい場合は、相見積もりで相場を把握した上で予算に合った業者を選びましょう。相見積もりをする際、業者は3社に絞ると候補を選びやすくなります。