一戸建てのマイホーム購入を考えている人で、寝室は具体的にどのように作ればよいか分からないという人も多いのではないでしょうか。間取りの失敗を回避したい人は、特に「窓」に注意しましょう。大きさや設置する方角などを失敗すると、実際に住んだときに後悔する可能性があります。
当記事では、寝室に窓を設置する際のポイントに加えて、寝室の間取り・設備の失敗例、失敗しないための注意点を紹介します。寝室にこだわりたい人はぜひ参考にしてください。
1.寝室の間取り・設備についての失敗例5選
寝室は、快適な睡眠を実現するために非常に重要な空間です。しかし、リビングなどに比べて軽視する人が多く、マイホームに入居してから寝室の間取り・設備に後悔する人もいます。
ここでは、寝室の間取りや設備の代表的な失敗例を5つ紹介します。失敗例から学び、後悔のない寝室を作りましょう。
1-1.窓が大きすぎた
窓が大きければ風通しがよくなり、換気しやすいものの、外気の影響を受けやすくなるため夏は暑く、冬は寒くなります。冷房・暖房器具を使わなければ快適な室温を保てず、電気代などが余計にかかるでしょう。
特に、ベランダ・バルコニーに出ることができる大きな引き違い窓や、西日が当たる窓などは要注意です。寝るときにしか寝室を使わないのであれば、ベランダ・バルコニーは設置せず窓を小さめにしたり、窓を付ける方角を北側にしたりするとよいでしょう。窓が小さければ、窓掃除が楽になるというメリットもあります。
1-2.東側に大きな窓を付けてしまった
東側に大きな窓を付けると、夏場は朝早い時間に日差しが入り込み、眠りを妨げられます。部屋の温度も上昇し、冷房効率が悪くなるデメリットがあります。
大きな窓は開放感があり光をたくさん取り込めますが、ベッドに朝日が当たるような位置にあるとぐっすり眠ることは難しいでしょう。どうしても東側に窓を付けたい場合は、シャッターや雨戸、採光調節可能なブラインドなどの設置がおすすめです。
また、西側に窓を付ける場合も注意が必要です。夕方に強い西日が入り込み、夏場は夜でも30度を超える暑さになることもあります。西側に窓を付ける場合も、日差しがあまり入り込まないようにシャッターなどで対策しましょう。
1-3.壁紙がイメージと違った
寝室の壁紙選びに失敗して後悔する人も少なくありません。例えば、赤や黄色などの明るい色や派手な模様などを寝室の壁紙に使うと、リラックスしにくい傾向があります。
部屋に何もない状態で見るときれいでも、家具を置くと部屋全体がうるさく感じることもあるでしょう。寝室はくつろぐための空間です。落ち着かない色や模様は避けましょう。
寝室に向いている壁紙の色は、白やベージュなどのシンプルな色です。模様はなしにするか、あっても主張の弱いものを選ぶとよいでしょう。壁紙はシンプルなほうが家具と取り合わせやすく、後悔しにくくなります。
1-4.コンセントが足りなかった
コンセントの数が足りず、家電などを十分に配置できなくて後悔する人も多くいます。寝室で使うと想定される家電には、下記が挙げられます。
- ●スマホの充電器
- ●エアコン
- ●扇風機
- ●サーキュレーター
- ●加湿器
- ●空気清浄機
- ●布団乾燥機
- ●テレビ
- ●掃除機
寝室に上記のような家電を複数置きたい場合、コンセントも複数必要になります。
また、コンセントの配置も重要です。置きたい場所にコンセントがなければ、コンセントの数が足りていても意味がありません。部屋の四隅もしくは部屋の奥と手前にコンセントを配置するのがおすすめです。
壁掛けテレビなど、特殊な場所に家電を設置したい場合は、別途コンセントの設置が必要になります。
1-5.トイレの隣に寝室を作ってしまった
夜中にトイレに行くことを考慮し、トイレと寝室を隣同士にしたいと考える人もいるでしょう。しかし、トイレの隣に寝室を作ったことで、音が気になり後悔したという人もいます。
音に敏感で眠れない心配がある場合は、トイレと寝室は離したほうがよいでしょう。どうしてもトイレと寝室を隣にしたい場合は、以下のような対策をとると遮音性が高まり、音があまり気にならなくなります。
- ●トイレと寝室の間の壁に遮音材を入れる
- ●トイレと寝室の間にクローゼットなどを配置する
- ●流水音が静かなトイレを採用する
2.失敗しない寝室の間取り・設備の注意点3つ
寝室の間取りや設備に関して、いくつかのポイントを押さえることで後悔する可能性を減らせます。
ここからは、寝室の間取り・設備について考える際に意識するべきポイントを3つ解説します。以下で紹介するポイントを押さえて、快適な間取り・設備の寝室を作りましょう。
2-1.窓選びは安眠を最優先にする
採光のために、日当たりのよい方向に窓を大きく設置したいと考える人は多いでしょう。しかし、日当たりよりも安眠できるかどうかで窓を選んだほうが、後悔しにくくなります。眠りを妨げないように、「顔に直接光が当たらない」「窓とベッドが近すぎない」「外からの視線が気にならない」の3つを重視して窓を選ぶのがおすすめです。
光を遮るためにシャッターや遮光カーテンを取り付けると、朝眩しさで目が覚めるのを防げます。ハイサイドライトという壁の高い位置にある横長の窓であれば、直射日光・外からの覗きを防止するためおすすめです。また、窓にペアガラスを使って結露対策をすると、外気の影響を受けにくくなります。
2-2.ベッド選びから間取りや設備を考える
新築で寝室を作るなら、設置するベッドをどのようなものにするか、あらかじめ考えておく必要があります。ベッドは寝室でもっともスペースを取るため、大きさや置く向きなどを事前に決めておくことで、寝室の間取りや設備を考えやすくなります。
大きめのベッドを配置したいと考えるなら、寝室も広くなければ窮屈さを感じます。夫婦で同じ寝室を使う場合、ベッドを2つ置くのか、ダブルベッドを1つだけ置くのかによって間取りが変わってくるでしょう。また、出入り口のドアやクローゼットの扉がベッドに当たらないように配慮する必要もあります。
設置するベッドが決まれば、部屋の大きさや他の家具の配置などが決めやすくなります。
2-3.災害対応にも配慮する
寝室の間取りを考える際には、災害時の対応を考慮することも大切です。地震などで家具が倒れてきた場合に備え、怪我をしたり下敷きになったりしないような導線を確保しましょう。
災害時には窓ガラスが割れる危険があるため、怪我をしないようにベッドは窓から離れた位置に設置します。大きな本棚やタンスも倒れてくる可能性があるため、ベッドから離れた場所に設置しましょう。照明は、天井に直付けするタイプがおすすめです。
この他、出入り口をふさがないように家具を配置することも大切です。寝室に置く家具は最低限にとどめ、収納はウォークインクローゼットにする方法もあります。
まとめ
寝室の間取りを決める際に重要なのが、窓です。朝日が入らない方角に窓を設置する、断熱性を高めるために窓を小さくするといった工夫をすることで、リラックスして過ごせる寝室を作れます。
どうしても窓を大きくしたい、東・西側に設置したい場合は、雨戸やシャッター、遮光性のブラインド・カーテンなどを活用するとよいでしょう。