仕事や学校から帰宅したとき、カバンの置き場所がなくてリビングに置く人や、玄関から離れたクローゼットなどにしまう人もいるでしょう。しかし、カバンの置き場所を玄関に作ると、玄関に入ってすぐにカバンを置けるため生活動線がスムーズになります。
当記事では、玄関にカバン置き場を作るメリットを解説するほか、間取りやアイテムを活用してカバン置き場を作る方法を紹介します。リビングや寝室以外にカバンを置きたいという人はぜひ参考にしてください。
1. 玄関にカバン置き場を作るメリットは?
自宅の収納について考える際、意外と多くの人が見落とすことに「使ったカバンをどこに置くか」が挙げられます。室内でカバンに触る回数や、使用するカバンを変える頻度にはよるものの、収納場所としておすすめなのが「玄関」です。
ここでは、部屋の中ではなく玄関にカバン置き場を作る3つのメリットを紹介します。
1-1. リビングが散らからない
カバンを置く場所を決めていないと、人によっては帰宅後にリビングに直行して、そのまま床に置くことが多くなります。結果として、リビングの物が増えて散らかり、リラックスしにくい環境になる可能性もあります。玄関に置き場を作ることで、帰宅後すぐにカバンを収納できるため、リビングが綺麗な状態に保たれやすくなる点がメリットです。
リビングが綺麗な状態に保たれると、掃除の手間が減ったり、心に余裕ができたり、ほかの好影響も生まれるでしょう。
1-2. 動線がスムーズになる
玄関にカバン置き場を作ると、生活動線がスムーズになるメリットもあります。生活動線とは、洗顔やトイレ、家事、入浴など朝起きてから寝るまでの一連の動作を線にしたものです。
例えば、帰宅後にまず手洗いをする人が、リビングのクローゼットにカバンを収納している場合、リビング経由で洗面所に向かいます。しかし、玄関にカバン置き場があると、帰宅後すぐにカバンを収納して洗面所に直行できるでしょう。
今回は手洗いを例にとりましたが、帰宅後に他の動作をする人でも、玄関にカバン置き場を作ると生活動線がスムーズになります。
1-3. カバンを綺麗に保管できる
玄関先に置き場を設置すると、カバンを綺麗に保管できる点もメリットの1つです。カバンは頻繁に使用するものなので、基本的には、手早く取り出せるように収納するケースが多くなります。そのため、カバン専用のスペースを作ると取り出し動作がスムーズになり、カバン以外の物に圧迫されないため、型崩れや傷を防止できます。
また、玄関はリビングをはじめとした生活スペースから離れているため、日常生活の中で汚れが付着する可能性も低くなります。カバンを長く使いたいと思っている人にとっても、玄関に置き場を作るのは最適です。
2. 【間取りで工夫】玄関にカバン置き場を作る方法
玄関にカバン置き場を作ると言っても、間取りや空きスペースなどの問題から「簡単には実施できない」と悩む人もいるでしょう。理想的なカバン置き場を玄関に作る場合、もっとも確実なのは、家を建てる段階でカバン収納について考えておくことです。
ここでは、玄関にカバン置き場を作る際のおすすめの間取りや工夫について解説します。
2-1. 広めの玄関収納を作る
玄関収納を広めに作っておくと、カバンの置き場としても有効活用できます。家を建てる段階で、想定している玄関の広さに対して、十分な玄関収納のスペースをシミュレーションするとよいでしょう。
広めの玄関収納を作る際に意識したいのが、どの程度の靴を収納するかです。玄関収納ではまず靴を優先的に保管するため、残りのスペースをカバン置き場として活用します。なお、ライフスタイルにはよるものの、家族の人数に対する一般的な靴の収納数の目安は下記の通りです。
家族の人数 | 玄関の広さの目安 |
---|---|
2人家族 | 12足~30足 |
3人家族 | 18足~45足 |
4人以上の家族 | 24足~60足 |
玄関収納の種類は大きく分けて3つあり、具体的には「壁面タイプ」「シューズインクロークタイプ」「ウォークスルークロークタイプ」です。室内に設置するタイプの収納だけでなく、靴を脱がない状態で物の出し入れができる「土間収納」という選択肢もあるため、生活スタイルに応じて検討してください。
2-2. 玄関ニッチを作る
「ニッチ」とは、インテリアや収納のために、壁を凹ませたスペースです。カバンをハンガーにかけたり置いたりするだけで収納できるので、負担がかからず、生活動線がスムーズになりやすいメリットもあります。また、壁を凹ませて作るため、「広さ」の面から玄関に収納スペースを設置できない家にとっても、実現させやすいことが特徴です。
玄関ニッチの種類は、「正方形タイプ」「縦長タイプ」「横長タイプ」の3つがあり、和風、北欧、ナチュラルなど、自宅のインテリアテーマに合わせた設置が可能です。なお、カバンの収納目的で玄関ニッチを作る場合、ある程度の奥行きが必要なので注意しましょう。家を建てる際に、インテリア目的ではなく収納目的であることを相談するのがポイントです。
3. 【アイテムで工夫】玄関にカバン置き場を作る方法
カバン置き場に悩んでいる人の中には、これから家を建てる予定がない人や、すでに家を建てた人もいるでしょう。現在住んでいる家の玄関に、カバン置き場を作りたい場合には、アイテムを活用する収納方法がおすすめです。
ここでは、アイテムを使ってカバン置き場を作る具体的なアイデアを3つ紹介します。
3-1. 壁掛け式の収納を作る
玄関にカバン置き場を作る方法の1つが、玄関の壁に直接かける、フック収納をするなどです。スペースが広くない玄関でもすぐに実現でき、100円ショップで販売している道具でもできるため、手軽に行える方法だと言えます。以下は、壁掛け式の玄関収納を作る方法の一例です。
- 壁にウォールハンガーを取り付ける
- 有孔(ゆうこう)ボードを貼って、棚板やフックを取り付ける
- ワイヤーネットを取り付けてS字フックを掛ける など
壁掛け式のハンガーには耐荷重があるため、購入前にチェックするのがポイントです。収納の見せ方1つでおしゃれな玄関にできるので、好みに応じて収納場所をデザインしましょう。
3-2. カバンを置くラックを購入する
カバンを置くためのラックを購入して、玄関に設置する方法もあります。穴あけなどの作業が必要ない上に、あらかじめ玄関の幅を測定して購入すれば、失敗もほとんどありません。玄関への設置におすすめのカバン収納ラックは、下記の通りです。
- ポールハンガーラック
- スリムハンガーラック
- 立て掛け式ラック など
一口にラックと言っても、さまざまなサイズ・色・形の製品があります。好みはもちろん、収納するカバンの数や玄関の雰囲気などに合わせて、商品仕様を確認するのがポイントです。
3-3. 収納ボックスを設置する
収納ボックスを買ってきて設置するという、シンプルな方法も選択肢の1つです。収納したいカバンの分だけボックスを買うだけで、簡単に実現できます。ボックス単体での活用はもちろん、複数のボックスを組み合わせて棚のように使い、小物収納などを兼ねることも可能です。
いくつかのカバンを玄関に一括収納する場合は、大きさや使用頻度などに応じて分けると、使いたいときにすぐ取り出せるのでおすすめです。また、カバンを横向きにしてボックスに入れると、上に物を重ねた際に型崩れする可能性があるため、縦向きにして置くとよいでしょう。
まとめ
玄関にカバン置き場を作ると「生活動線がスムーズになる」「カバンを綺麗に保管できる」などのメリットがあります。帰宅してすぐリビングの床に置いている人は、玄関にカバン置き場を作れば散らかりにくくなります。
これから家を建てる人は、広めの玄関収納や玄関ニッチを作ってカバンを置くとよいでしょう。現在の居住空間でカバン置き場を作りたい人は、壁掛け式の収納を設置するほかラックや収納ボックスを活用する方法がおすすめです。