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家に駐車場を設置するには?駐車場の種類や作るときのポイントを解説

家に駐車場を設置するには?駐車場の種類や作るときのポイントを解説

車を所有する上で考えておきたいのが「駐車場」の場所です。「自動車の保管場所の確保等に関する法律」では、車の保管場所を確保することを義務づけており、保管場所に関しては「車を使う本拠点から2キロ以内の場所」という要件が定められています。

出典:e-Gov法令検索「自動車の保管場所の確保等に関する法律」

当記事では、家に設置する場合の駐車場の種類や作るときのポイントを解説します。駐車場の広さを決める基準や地面に使われる素材の特徴も紹介しているので、駐車場の設置を検討している方は必見です。

1.家に設置できる駐車場にはどのような種類がある?

車を所有している場合、自宅の敷地内に駐車場スペースを作りたいと考える方は多いのではないでしょうか。実際に家に駐車場を作る際には、大きく分けて3つの種類があります。

ここでは、家に設置できる駐車場の種類をそれぞれ詳しく解説します。メリット・デメリットも紹介するため、使いやすい駐車場作りを目指している方はぜひ参考にしてください。

1-1.オープンスペース

オープンスペースは、駐車する際に必要なスペースを確保し、舗装しただけのシンプルな造りです。敷地内にあまり広いスペースを作れない場合や、壁や塀などを作らずオープンな外構にこだわる場合に用いられます。

オープンスペースのメリットとして、以下の3点があります。

  • 駐車スペースが狭い場合でも作りやすい
  • 見通しが良く事故が起きる可能性が低い
  • 低予算で設置できる

所有している車が大きい場合、カーポートやガレージを作る際には車の大きさに加えてそれらを設置するスペースの確保が必要です。しかし、オープンスペースでは車が停車できるスペースがあれば設置可能です。また、見通しが良く視界を遮るものがないことから、車を出し入れするときに発生しやすい事故を未然に防げるメリットもあります。

しかし、オープンスペースは青空駐車場とも呼ばれ、雨風の影響を受けやすく車が傷みやすいデメリットもあるため注意が必要です。

1-2.カーポート

カーポートとは、屋根と柱だけで構成された囲われていない駐車場です。カーポートは家が建った後でも設置可能で、取り壊す場合も複雑な作業が不要なことから人気があります。

カーポートのメリットとして、以下の2点があります。

  • 天候による車の痛みが防げる
  • 省スペースでの設置ができる

カーポートはオープンスペースと比べて屋根があるため、雨や紫外線などの影響を受けにくく、車の傷みを抑えることが可能です。また、柱のスペースさえ確保できれば設置可能なことから、広いスペースを確保できない場合でも気軽につけられます。

カーポートのデメリットとして、ガレージと比較した際の耐久性の低さが挙げられます。台風や積雪など、カーポートに強い負荷がかかった場合には、壊れてしまう可能性があるので注意が必要です。

関連記事:カーポート位置の失敗例と対処法!設置の際に気を付けたいポイントも

1-3.ガレージハウス

ガレージハウスは、ガレージと住宅が一体となった駐車場です。住宅の1階の一部分にガレージが組み込まれており、インナーガレージやビルトインガレージとも呼ばれています。統一感のある家にこだわっている方に人気のある駐車場です。

ガレージハウスのメリットとして、以下の2点があります。

  • 天候や自然災害から車を守れる
  • 駐車場としての役割だけでなく趣味のスペースとしても使える

カーポートと比べた場合、強度のある屋根や塀で囲まれているため、悪天候や自然災害が起きた際にも車を傷付けることなく保管することが可能です。また、ガレージの車を止めていないスペースを趣味の部屋として使用している方も多く、空間を有効活用できるのも魅力の1つでしょう。

ガレージのデメリットとしては、車が増えた場合にスペースを確保しづらい点が挙げられます。ガレージを作るときは、将来的に車の台数が増える可能性についても検討しておきましょう。また、居住スペースの中に駐車場を組み込むことから、家が狭く感じてしまう場合があります。間取りに関しては建築業者との打ち合わせを十分に行うことが大切です。

2.家に駐車場を作るとき考えるポイント3つ

駐車場工事をする場合、後悔のないように使い方をよく考えてから設置を検討しましょう。使いやすい駐車場を作るには、押さえておきたいポイントがあります。

ここでは、家に駐車場を作るときに考える3つのポイント・注意点について解説します。駐車場リフォームや、新しく駐車場を作ろうと検討中の方はぜひ参考にしてください。

2-1.駐車場の広さを決める

駐車場として必要な幅は、乗る車の大きさによって異なります。幅が狭すぎると車を止めにくく、使いづらい駐車場になるため注意しましょう。国土交通省の「駐車場設計について」では、以下の示す値以上の幅にすることを原則としています。

設計対象車両 長さ
軽自動車 3.6m 2.0m
小型乗用車 5.0m 2.3m
普通乗用車 6.0m 2.5m
小型貨物車 7.7m 3.0m
バスおよび大型貨物車 13.0m 3.3m

出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」

また、駐車場の広さは将来的に購入を検討している車の大きさで考えましょう。今後家族が増える予定や、同居する場合など、さまざまなライフイベントを加味して余裕を持った駐車場サイズを確保することをおすすめします。

駐車する際の止め方のレイアウトも決めておきましょう。代表的な駐車場タイプは4つあります。

・直角駐車

前に面している道路に対して直角の向きに駐車する方法です。前進とバックでの駐車が可能な一般的な駐車場として用いられています。

・並列駐車

前に面している道路に対して平行に駐車する方法です。奥行きが足りない場合に用いられることが多いものの、駐車場間口を大きく確保しなければならないため、注意しましょう。

・縦列駐車

前に面している道路に対して縦に並んで駐車する方法です。駐車場間口に余裕がなく、奥行きに余裕がある場合に用いられることが多いものの、車の出し入れに時間がかかるデメリットがあります。

・L字駐車

前に面している道路に対しL字に駐車する方法です。車を止められるスペースが2台分あることから、急な来客用駐車場としても使用できます。外観がすっきりとまとまり見栄えは良いものの、家の外側を車で囲むため圧迫感を覚えるでしょう。

2-2.地面の素材を決める

駐車場の地面に用いられる素材にはコンクリートをはじめ砂利やタイル、土などがあります。素材の種類によってさまざまなメリット・デメリットがあることから、素材の特徴を踏まえた上で検討しましょう。具体的な素材の種類は以下の通りです。

・コンクリート

耐久性に優れ手入れも楽なため、駐車場の地面の素材として多く使われています。しかし、工事費用が高く照り返しによる温度の上昇には注意が必要です。

・砂利

工事費用が安く照り返しもないことから、費用を抑えたい方に人気の素材です。草抜きや砂利の継ぎ足しが必要であることから、お手入れが必要なデメリットがあります。

・タイル

タイルはデザイン性が高いことから、見栄えを良くするには最適な素材です。しかし他の素材と比べて施工に時間がかかり、耐久性も不安な面があるので、タイヤが乗る部分に関しては別の素材を使用するとよいでしょう。

・土

駐車場を土で固めるだけのシンプルな素材のため、工事が簡単かつ価格が抑えられるメリットがあります。また、耐久性の面では不安があり、ひび割れを起こす可能性が高く見栄えが気になる方は注意が必要です。

・芝生

緑色の芝生は景観が良いだけでなく、照り返しも少ないというメリットがあります。しかし、天然芝を用いる場合は費用と手間がかかり、人工芝の場合は熱がこもりやすく熱くなるため注意しましょう。

2-3.防犯対策を行う

自宅に駐車場を設置し、車を止める場合には防犯対策を行うことも大切です。窃盗犯や車上荒らしの侵入を防ぐためには、防犯カメラで監視の目が行き届いているというアピールが効果的と言われています。また、犯人は音が出るものを嫌う傾向にあるため、踏むと音が鳴る防犯砂利などを用いて気軽に侵入できない環境作りを心がけましょう。

まとめ

家に設置できる駐車場には舗装しただけのシンプルな「オープンスペース」、屋根と柱だけで構成された「カーポート」、ガレージと住宅が一体となった「ガレージハウス」があります。工事をしてから後悔しないためにも、車の大きさを考慮した駐車スペースや車を止めるレイアウトのほか、地面に用いられる素材を考えた上で施工業者に依頼することが大切です。

駐車場の種類や素材にはそれぞれメリット・デメリットがあることから、何に重点を置くのかを考慮することで納得のいく駐車場が設置できるでしょう。