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カーポート位置の失敗例と対処法!設置の際に気を付けたいポイントも

カーポート位置の失敗例と対処法!設置の際に気を付けたいポイントも

住宅を購入したりリフォームしたりする際に、車を所有する方や購入予定がある方は、カーポートの設置を検討するのではないでしょうか。しかし、使用頻度が高く、家の玄関前などの目立つ場所にあるカーポートの設置について、失敗を防ぐにはどうすればよいか悩む人もいるでしょう。

この記事では、カーポートの設置に関する失敗例や対処法、カーポートを設置する際のポイントを紹介します。カーポートの設置で後悔したくない人や、自分の家に合ったカーポートの設置を行いたい人はぜひ参考にしてください。

1.カーポートの役割

カーポートとは、アルミやスチールの柱、屋根を用いて作った駐車場のことです。壁がない造りのため、ガレージより簡易的で工事期間や工事費用が安く済むという特徴があります。

カーポートの主な役割は、雨や雪による汚れ、紫外線による劣化から車を守ることです。紫外線は、車の表面塗装やタイヤの劣化を早める原因と言われています。

またカーポートには、車を守る以外にも、乗降車時に雨・雪に当たらない、除雪の手間が省けるといったメリットがあります。特に降雪地帯では、日々の雪かきの手間が省ける点は大きなポイントと言えるでしょう。

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2.カーポート位置の失敗例と対処法

カーポートを設置する際、位置はとても重要です。カーポートを設置する位置を間違えると、カーポートのメリットを十分生かすことができなくなります。

ここからは、カーポート失敗例の代表的な4つをご紹介します。また、設置前・後の対処法についても触れるため、カーポートを設置済みで「失敗した」と思っている方も参考にしてください。

2-1.乗り降りのスペースが狭い

カーポートは、庭に柱をたてて施工するため、必然的に庭のスペースが狭くなり圧迫感が生まれます。乗り降りしたいスペースに柱があると、車を寄せて停める必要があったり、ドアが開けづらかったりします。荷物を持っている時は、特に不便さを感じるでしょう。

・対処法

一度カーポートを設置してしまうと、位置の変更は難しくなります。そのため、庭の広さや駐車したい車のサイズ、歩行スペース等を考慮した上で、カーポートの設置計画を立てましょう。自転車を停める可能性がある場合は、駐輪スペースを忘れずに確保してください。

2-2.雨や土埃を防げない

カーポートには屋根がついており、上からの雨や雪、紫外線等から車を守ることができます。しかし、壁はついていないため横からの砂埃等には対応できません。海が近い・台風がよく来るなど風の影響を受けやすい場所では、想像より雨や土埃を防げないと感じる方もいるでしょう。

・対処法

まずは、駐車スペースを造る際にカーポートにするのか車庫にするのか検討しましょう。カーポートを設置する場合はカーポートの高さに注意してください。高さに余裕がありすぎるとさまざまな角度から風の影響を受けやすくなります。

すでにカーポートを設置済の方はサイドパネルのオプションをつけると、横からの雨や土埃による汚れを防げる可能性があります。

2-3.家の日当たりを妨げる

カーポートには屋根がついており、玄関周辺や窓・庭に影がかかることがあります。せっかく窓の多い家であっても、日当たりが妨げられると部屋が暗い印象となります。

・対処法

カーポートの設置場所を選ぶことができる場合は、方角や大きさに注意して検討することがおすすめです。もし、影になりやすい場所にしか設置できない場合は、屋根の材質を透明なものにするなどして、できるだけ日当たりを確保しましょう。

2-4.近隣トラブルの原因となる

カーポートは雨や雪を防いでくれるものの、カーポートを伝って雨や雪が近隣の敷地内に入る恐れがあります。また、隣の家の敷地に影を落とし日あたりを妨げる場合も見られます。周りの敷地に影響を与えると近隣トラブルの原因となり、カーポートの撤去を求められるリスクもあるでしょう。

・対処法

カーポートを設置する場合は、まず近隣の敷地との距離を考えましょう。敷地の端に設置するのは避けることをおすすめします。家の設計上、近隣の敷地近くにしか設置できない場合は、屋根の大きさや素材、屋根の勾配や向きを考慮することでトラブルを防ぐことができるでしょう。

3.位置以外にも!カーポート設置のポイント

位置を決めるだけでも多くの注意点があり、カーポートの設置に不安を抱く方も多いでしょう。しかし、カーポートは大切な愛車をきれいに保ち、生活を便利にするための重要な設備です。

以下で紹介するポイントを押さえ、自分の家に合ったカーポートづくりに役立ててください。

3-1.適切なサイズ・高さを考慮する

カーポートを設置していても、屋根のサイズが小さいと車全体をカバーできません。カーポートは一般的に下記のサイズを基準に設計されています。

2.5~3.0m
奥行 5.0~5.5m
敷地面積 12.5~16.5㎡(3.8~5坪)

上記はあくまで基準値であるため、駐車したい車に対し1.0m以上余裕を持たせたサイズにすることがおすすめです。また、複数台駐車する予定や自転車置き場を造る予定があれば、より大きなサイズが必要となります。

特に注意すべき点として、車の買い替えが挙げられます。車は、ライフプランにあわせて買い替える可能性があります。もし、ファミリーカーなどの大型車を購入する可能性がある場合は、カーポートのサイズだけでなく高さも考慮しながら設計を進めましょう。

3-2.家・車に合った柱のタイプを知る

カーポートには、大きく分けて柱のタイプが4つ存在します。それぞれのタイプにメリット・デメリットがあるため、自分に合うものを選びましょう。

片側支持タイプ
カーポートの左右どちらかに柱があり、複数台駐車する場合には連棟が可能なタイプ
メリット 狭い敷地でも車の出し入れがしやすく、外構工事費用も安く済む
デメリット 柱の数が少なく、安定性に劣る
後方支持タイプ
柱がカーポートの後方についた、最近人気のタイプ
メリット 左右に柱がなく、駐車しやすい
デメリット 設置に手間がかかり、設置費用相場も高い
吊り下げタイプ
柱の上から屋根を吊り下げるタイプ
メリット 大きな屋根でも片側で固定でき、複数台駐車が可能
デメリット 柱の数が少なく、やや安定性が悪い
両側支持タイプ
柱を左右のどちらにも設置したタイプ
メリット 柱の数が多く、大きな屋根でも安定性がよい
デメリット 狭い敷地では出し入れにストレスがかかる

また、それぞれのタイプに応じてデザインもたくさんあるため、機能面で適切なタイプを選んだ上、家の雰囲気に合うデザインの商品を選ぶとよいでしょう。

3-3.積雪や強風など気候に合わせる

カーポートは、素材や屋根の傾きによって耐雪量や耐風圧強度が異なります。一般的なカーポートでも20cm程度の積雪には耐えられますが、豪雪地域では、より強度のあるカーポートを選ぶ必要があります。また、風の強い地域では、安定性の高い素材を用いた柱の数が多いカーポートを選ぶとよいでしょう。

カーポートの強度は、施工を依頼する工務店などに相談するほか、実際に街を歩いてどのようなカーポートが選ばれているかを確認することがおすすめです。

まとめ

カーポートとは、柱と屋根で構成される簡易的な車庫です。愛車を雨や雪・紫外線から守る役割がある一方で、設置のポイントを押さえていないと後悔することも少なくありません。日当たり・隣家との距離感など位置に関するポイント以外にも、柱のタイプや気候なども考慮しておくと安心です。

カーポートを設置する際は、住宅の施工を依頼する工務店やハウスメーカーなどに事前に相談すれば、失敗を防げます。特に気候に関しては、家を建てるエリアに詳しい工務店などに尋ねると、豊富な知識を生かしたアドバイスが得られるでしょう。