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注文住宅のオプション費用相場|オプションを付ける際の注意点も

注文住宅のオプション費用相場|オプションを付ける際の注意点も

マイホームを注文住宅で建てる際は、標準仕様に加えるオプションの導入も検討項目の1つになります。しかし、オプションにかかる追加費用の相場が分からない方、オプションが本当に必要かどうかで悩んでいる方も多いでしょう。

当記事では、人気が高いオプションの費用相場をはじめ、オプションを設置する際の注意点を紹介します。オプションの費用相場を掴んだ上で、本当に追加すべきか検討し、予算内で理想のマイホームを建てましょう。

1.注文住宅のオプション費用とは?

注文住宅のオプション費用とは、ベースとなる「標準仕様」に加え、設備を追加したり装備をグレードアップしたりできる「オプション」にかかる費用のこと。基本価格にオプション費用を追加で支払うと、標準仕様に含まれていない設備を入れたり、標準仕様の床・壁・設備などに採用されているグレード以外のものを選んだりするなど、建物の仕様を変えることができます。

各工務店・ハウスメーカーによって標準仕様はさまざまです。ある会社では標準仕様に組み込まれていても、別の会社ではオプション扱いになることもよくあります。住宅会社は、基本的に得意とするターゲット層に合わせた標準仕様を揃えていることが多いため、建てたい家の装備のうちどこまでが標準仕様に組み込まれているかを事前に聞いておくと費用のイメージがつきやすいでしょう。

2.【内容別】注文住宅を建てる場合のオプション費用相場

注文住宅では、ベースとなる本体価格に、標準工事費用やオプション工事費用を合計したものが建築費用となります。注文住宅を建てる場合の費用相場は以下の通りです。

建築費用のみ 3,534万円
建築費用+土地代 4,397万円

出典:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」

上記のデータは、オプション費用込みの全国平均価格です。しかし、どの費用からがオプション費用となるか、どの程度オプションを付けるかは、住宅会社や建てる人によって大きく異なります。

ここでは、代表的なオプション工事費用の大まかな相場を紹介します。

関連記事:土地なしで注文住宅を建てる流れ|失敗しないコツやローンの使い方も

2-1.タイル外壁

一般的には「サイディングボード」と呼ばれるパネルが外壁の標準装備になりますが、オプション費用を追加することで、メンテナンスが手軽で耐久性が高いタイル外壁に変更が可能です。

【タイル外壁の費用相場】

約150万~250万円

建物の外壁全体を変更することになるため、タイル外壁の費用相場は比較的高くなります。値段を抑えたい場合は、玄関周りや道路側など、一部分のみタイル外壁に変更することがおすすめです。

2-2.太陽光発電システム

近年、注文住宅を建てる上で人気となっているオプション装備が「太陽光発電システム」です。自分の家で必要となる電気をまかなえるだけでなく、余った電気を売電することもできるため、ランニングコスト削減に役立ちます。

【太陽光発電システムの費用相場】

約100万~200万円

太陽光発電システムは、設置する場所に届く太陽光の量や自然環境によって発電量が大きく違います。事前に設置場所や周辺の自然環境を確認しておきましょう。

2-3.造作棚

造作棚は、室内にオーダーメイドで作ってもらえる棚です。既製品の棚に比べて、サイズや色味を詳しくオーダーできるため、スペースにぴったり収まるだけでなく、部屋に統一感を持たせることもできます。

【造作棚の費用相場】

約10万円~

造作棚は職人がオリジナルで施工するため、一般的な家具と比べて高額になります。しかし、建物に備え付けるようにすれば、地震で倒れる心配がなくなり、安全に使うことができるでしょう。

2-4.ウッドデッキ

室内と庭をつなぎ、くつろぎの場を作れるウッドデッキは、オプションの中でも人気の設備です。しかし、基礎の作り方やウッドデッキの素材・広さに応じて費用相場は大きく変わる傾向にあります。

【ウッドデッキの費用相場】

約10万~60万円

ウッドデッキを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスを怠らないことも大切です。建てたい家のイメージや求める耐久性、費用などから、ウッドデッキを付けるかどうかは総合的に判断することをおすすめします。

2-5.床暖房

リビングに導入するオプションとして代表的な設備が「床暖房」です。温かい空気は下から上に行くという特徴があるため、床を温めておくことで快適な室温を保てます。また、エアコンなどを使うよりも部屋の空気が乾燥しにくく、快適に過ごしやすいこともメリットです。

【床暖房の費用相場】

約15万~30万円/6畳

床暖房には、電気式・温水式・ガスタイプなどさまざまなタイプが存在し、それぞれ導入費用も大きく異なります。初期費用やランニングコストの削減度合いなどから、自分たち家族に合うものを選びましょう。

2-6.スマートキー

近年、セキュリティの高さや便利さから人気となっているオプションが「スマートキー」です。鍵を差し込まず、ボタンを押すだけで施錠・解錠ができるため、荷物を多く持っているときでも鍵を探す手間がない点が人気の理由です。

【スマートキーの費用相場】

約3万~10万円

スマートキーは他のオプションと比べて安価のため、比較的導入しやすいと言えます。また、オートロックの設定をしておくと、鍵の閉め忘れも防げます。

2-7.食器洗い乾燥機

家事の時短ができるだけでなく、光熱費削減にも役立つ設備が「食器洗い乾燥器」です。電気代の基本料金が安くなる深夜に自動運転するよう設定すれば、光熱費を抑えられます。また、高温で食器を乾燥させるので、衛生面も安心です。

【食器洗い乾燥機の費用相場】

約6万円~

食器洗い乾燥器を後付けするとなると、広いスペースを確保するのにキッチンごと大規模な工事が必要になる場合があります。そのため、住宅を建てる際に設置するほうがよいでしょう。

3.注文住宅にオプションを付ける場合の注意点3つ

注文住宅を建てる際のオプションにはさまざまな種類があります。しかし、よく考えずにオプション選びをすると、費用総額が高くなるだけでなく、マイホームに住み始めてから後悔することもあるでしょう。ここでは、注文住宅のオプション設定で後悔しないための注意点を3つ紹介します。

3-1.本当に必要なものか考える

オプションを設置する際は、「本当に必要なものか」を判断することが重要なポイントです。オプションには追加料金が発生するため、不必要なオプションまで付けていると予算オーバーになる恐れがあります。

反対に、予算内に収めようとオプションを付けるのを諦めてしまうと、せっかくの注文住宅なのに暮らしにくさを感じてしまうかもしれません。マイホームにほしい設備を吟味してオプションを選ぶだけでなく、オプションを含めた見積もりを依頼するようにしましょう。

3-2.コストパフォーマンスを考える

オプションでは、標準仕様ではセレクトできない装備を採用できますが、中には性能以上の価格が設定されていることもあります。特に、省エネに関連するオプションを付ける場合は、オプションを含む建築コストとランニングコストを見比べ、どちらが家計の負担になりにくいかを確認するようにしましょう。

また、そのときは必要だと思っていても、実際にマイホームに住んでからは意外と使わないオプションもあります。オプション費用を追加で支払うほど本当に使う機会があるのか、マイホームに住んだ後のライフスタイルを踏まえて検討することをおすすめします。

3-3.メンテナンスの行いやすさを考える

マイホームに取り付けたオプションによっては、メンテナンスに手間や費用がかかるものも存在します。「設備に不具合があったときに代替品をすぐ取り寄せられるか」「保証の範囲はどこまでなのか」など、事前に確認するようにしましょう。

オプションは、暮らしやすさを上げるために設置するものです。メンテナンスが大変だとオプションを使う機会が減るケースも考えられますので、できるだけメンテナンスの手間がかからないオプションを選ぶことをおすすめします。

関連記事:工務店で家を建てた場合のよくある後悔|工務店選びのポイントとは?

まとめ

注文住宅にオプションを入れると、標準仕様にはない設備を設置したり、グレードの高い床・壁・設備などを選んだりすることができます。追加で料金はかかるものの、マイホームでの新しい暮らしを快適に変えることが可能です。

追加するオプションの項目によって費用相場はさまざまです。また、ハウスメーカーや工務店によっても何が標準仕様になって何がオプションとなるのかは異なります。必要性やコストパフォーマンス、メンテナンスなどを考慮して、満足のできるオプションを選びましょう。