工務店選びの知識

設計料とは?工務店に依頼する際の相場や注意点など

設計料とは?工務店に依頼する際の相場や注意点など

当記事では、設計料の概要や設計料と監理料の違い、工務店・ハウスメーカーと設計事務所それぞれの設計料の相場や、設計料に関する注意点などを紹介します。

住宅建築における設計料について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

1. 設計料とは?

一般的な「設計料」とは、「設計監理料」の略です。設計監理料とは「設計料」に「監理料」が追加されたものであり、単なる建築設計業務のみが含まれるわけではありません。設計監理料について理解するには、設計料や監理料がどのような費用なのかを知っておく必要があります。

設計料とは、建物の設計にかかる費用のことです。設計料には主に以下の業務が含まれます。

  • 建設主の要望や法的な制約、予算などの設計条件などを整理する
  • 建築確認申請に必要な事柄について、関係機関と打ち合わせを行う
  • インフラ(上下水道を含む)の調査や関係機関との調整を行う
  • 設計方針を策定し、設計図書を作成する
  • 概算工事費を検討し、工事費概算書を作成する

上記のように、設計料には設計作業そのもののみならず、設計書の作成に付随する多種多様な業務が含まれています。

1-1. 設計料と監理料の「含まれる業務内容」の違い

設計料は「設計に関する費用」ですが、監理料は「工事を進めるためにかかる費用」である点が大きな違いです。監理料には主に以下のような業務が含まれています。

  • 設計図書の内容を把握し、精査する
  • 施工業者の施工図などを設計図書と照合し、精査する
  • 工事監理業務を行う
  • 建築主への随時報告し、工事監理報告書などを提出する

なお、設計料・監理料の細かい内訳や、何をどのように行う費用かは、依頼先の設計会社によって異なる場合があります。見積もり内容などについて詳しく知りたい場合は、設計依頼先の担当者に直接問い合わせをしましょう。

2. 【依頼先別】設計料の相場はいくら?

国土交通省が定めている設計料の算出方法には、「業務報酬基準」と「実費加算方式」があります。業務報酬基準による設計費の算出方法は「直接人件費×2.1+特別経費+技術料等経費+消費税相当額」です。

業務内容などが業務報酬基準の対象とならない場合、設計費は実費加算方式での算出となります。実費加算方式での設計費の計算式は「直接人件費+直接経費+間接経費+特別経費+技術料等経費+消費税相当額」です。

出典:国土交通省「略算方法を活用した業務報酬の算定例」

しかし、業務報酬基準や実費加算方式を守って設計料を算出すると、現実的ではない高額な設計料になることが多いため、設計会社独自の算出方法を決めているケースもあります。

一般的な設計料の相場は、工事費の10〜20%とされているものの、詳細は依頼先によって異なります。ここからは、依頼先別の設計料の相場について解説するため、ぜひ依頼先選びの参考にしてください。

2-1. 工務店・ハウスメーカーに依頼する際の設計料の相場

工務店・ハウスメーカーに依頼する場合の設計料は、工事費の2〜5%程度が相場です。

工務店やハウスメーカーでは、間取りなどについて規格化された設計パターンがいくつか用意されています。そのパターンに当てはめることで、設計料を安く抑えることに成功しています。

しかし、ある程度パターンが決められている以上、設計やデザインに融通を利かせることは難しいです。設計に強いこだわりがある場合、工務店やハウスメーカーに依頼すると、かえって設計料が高くなる可能性があります。設計に強いこだわりがない人は、設計料を抑えられる工務店やハウスメーカーに相談するのがよいでしょう。

2-2. 設計事務所に依頼する際の設計料の相場

設計事務所に依頼する場合の設計料は、工事費の10〜15%程度が相場となっています。工務店やハウスメーカーと比べてコストが高いと感じるでしょうが、設計事務所には「難しいデザインやこだわりが強い住宅設計も請け負ってくれる」という大きな特徴があります。依頼者の意見を取り入れながら設計してくれるため、設計料の相場が高くなることも妥当だと言えるでしょう。

ただし、すべて1からデザイン・設計する場合、家が完成するまでにかなり時間がかかるというデメリットもあります。家を早く完成させたい場合は、工務店やハウスメーカーに、費用や時間がかかってもこだわりの家をオーダーしたい場合には、設計事務所に依頼するとよいでしょう。

3. 設計料に関する注意点2つ

設計料については、以下の2つの注意点をしっかりとチェックすることが大切です。

・見積もりをよく確認する

工務店やハウスメーカーに依頼した場合でも、設計無料になることはまずありません。しかし、工務店やハウスメーカーの見積もりには、設計料の項目が記載されていないこともあります。見積もりに設計料の項目がない場合、設計料は工事費などほかの細目に合算されていることが多いです。

見積書に設計料の記載がない場合は、誤解が生じるのを防ぐためにも、設計料がどの細目に含まれているのかを確認しておくとよいでしょう。

・坪単価で設計料が決まる場合もある

設計会社によっては、設計料を坪単価で算出しているケースもあります。坪単価で算出している場合の設計料の相場は、坪8万円から18万円程度です。

見積もりを確認する際には、設計料が坪単価で決まる場合もある点を視野に入れておきましょう。

まとめ

住宅建築の際の設計料とは、建物の設計にかかる費用のことです。設計料には設計作業以外に、設計書の作成に付随する多種多様な業務が含まれています。

工務店やハウスメーカーに依頼する場合の設計料は、工事費の2〜5%程度が相場です。一方で、設計事務所に依頼する場合の設計料は、工事費の10〜15%程度が相場となっています。設計書の作成を依頼する際は、双方のメリット・デメリットを理解した上で、依頼先を選びましょう。